
『過労死ゼロの社会を 高橋まつりさんはなぜ亡くなったのか』
著者 高橋幸美・川人博
版元 連合出版
2017年12月刊
「おかあさんもがんばってるからわたしも泣かないでがんばる」と言っていたまつり。
2015年12月25日金曜日、前月24歳になったばかりの自分の人生を終わらせました。
私が子供に心配をかけるような親じゃなかったら、学費や生活費を心配しなくても良い家庭に生まれていたら、娘は今でも生きて自分の夢を実現させながら社会で貢献していたかもしれません。
大学を卒業した娘は大学院には進まず、自立して生活し出来るだけ早く母に仕送りをしたいという思いで会社という組織に所属しました。
年収が多いと評判の会社でした。
激務という評判も知っていましたが自分の能力を発揮したいとチャレンジしました。
企業という閉鎖社会の中で行われていたことは、それまで自分が信じて学んできた常識とは全く異なった価値観と秩序の世界でした。
日本の広告業界のリードカンパニーたる企業であるにもかかわらず、労働法に違反した労働を従業員にさせ、労基署から再三是正勧告を受けていたのに,これ以上指導を受けないようにするために従業員に嘘の労働時間の申告をするように命じていました。
年功序列、体育会系という社風の基に社員教育が行われ、個性を壊し,人権を蹂躙する会社のイデオロギーで洗脳しようとする。
上司や先輩社員からはパワハラという暴力で個性とプライドを侵害され、「電通」という名の上ではどんなことでも許される異常な組織でした。
まつりは,子供のころから家庭教育・学校教育では人を傷つけてはいけない、人権や法律は守らなければいけないと学んできたので,このような会社のイデオロギーを受け入れることができなかったのでしょう。
さらに,それまでは女性に生まれたからという理由で生き辛さを感じていなかった娘でした。自分の知識や才能を磨いて能力を発揮することで社会は正当な評価をしてくれる。と信じて生きてきました。
ジェンダーを理由に不当な扱いをする人や世界があることをこの会社に入って初めて実体験しました。
23年間という短い娘の人生のなかで自身の努力で夢を掴めると信じて学んできたことすべてが崩れてしまった最期の数カ月でした。
法律を守らない企業、社員を守らない会社、人を傷つける上司の意識、人を守らない社会、娘が人生を終わりにしてしまった原因をこれ以上放置してはいけない。
どうか社会を変えて欲しい。社会を変えたい。
娘のような思いをして働いている人を助けて欲しい。助けたい。
これから社会にでて働く若者たち子供たちを守って欲しい。守りたい。
という思いをこめて娘まつりの人生の一片をつづりました。
多くのひとに,私が川人先生と一緒に書いたこの本を読んでいただければ幸いです。
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