国策売春の実態と人々の眼差し。性的人格権を考える

 第二次世界大戦直後の一九四五年、日本政府が占領軍の米兵のために「慰安」施設をつくった問題を研究した労作です。国が米兵用の売買春施設をつくった――知られていながら、政府が一切認めてこなかった事実で、その問題の初の本格的研究書といえます。
 売春施設整備の経緯と実態を、公的文書や証言から解明、加えて当時の人の日記、占領軍関係者、ジャーナリストらの証言から、人々が女性や性売買をどのように見ていたのかも分析します。そうした史的研究を、現代の売買春や性産業に従事する女性をめぐる問題につなげて研究していることも大きな特徴で、現代社会におけるジェンダー観、性的人格権の問題について、議論を呼びかけます。

<目次>
序 章 なぜ占領期の性暴力を議論すべきなのか
第1章 占領期の国策売春施設設置と国や警察の関与
第2章 特殊「慰安」施設の資金調達と各都道府県の動向
第3章 日本の公娼制度と占領下日本における米軍性政策の展開
第4章 エゴ・ドキュメント分析 1――日本人の日記・回想録から
第5章 エゴ・ドキュメント分析 2――日本国憲法GHQ草案作成に関わった米国人
第6章 エゴ・ドキュメント分析 3――占領期日本に滞在した外国人の日記・回想
終 章 性暴力における戦時と平時の連続性

◆書誌データ
書名 :占領期の性暴力──戦時と平時の連続性から問う
著者 :芝田英昭
頁数 :320頁
刊行日:2022/12/5
出版社:新日本出版社
定価 :2420円(税込)

占領期の性暴力──戦時と平時の連続性から問う

著者:芝田英昭

新日本出版社( 2022/12/05 )