シネマラウンジ

映画と女性と社会をつなぎます。フェミニズム、ジェンダーを視野に入れつつ、映画をとおして世界の女性の多様な生の現実にふれ、ともに語りあえるような交流の場をめざしています。新作映画評、エッセイ、対談・座談会、女性監督の言葉など、映画とさまざまに関わる女性たちの〈声〉をお届けします。

映画を語る

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『悲しみに、こんにちは』 悲しみを解放するもの  中村奈津子

2019.03.09 Sat

1993年の夏。エイズで母親を亡くし孤児になった6歳のフリダ(ライア・アルティガス)は、叔母と叔父の夫婦に引きとられることになった。大好きな祖父母や友だちに見送られ、スペインのバルセロナからカタルーニャの田舎の町へ。周囲を森にかこまれた静かな山あいの家で、叔母マルガ(ブルーナ・クッシ)と叔父エステバ(ダビド・ヴェルダグエル)、そして4歳の

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カテゴリー:DVD紹介

『ビリーブ 未来への大逆転』 性別にもとづく差別を終わらせるために  中村奈津子

2019.02.18 Mon

ルース・ベイダー・ギンズバーグは、現在アメリカの最高裁判所にいる9人(うち、女性は3人)の判事の一人である。彼女は、1993年にクリントン大統領によって任命されて以来、85歳の今なお最年長の現役だ。アメリカではJFK(ジョン・F・ケネディ)、FDR(フランクリン・D・ルーズベルト)らに続いて、「RBG」のイニシャルだけで知られている著名人

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カテゴリー:新作映画評・エッセイ / 映画を語る

『大人のためのグリム童話 手をなくした少女』  力を削がれた少女が手にする野性  中村奈津子

2019.02.03 Sun

「本当は恐ろしい」という形容詞で語られることの多い、グリム童話。そこに収められた200話ほどの物語のひとつに、『手なし娘』というお話がある。――悪魔と契約を交わしてしまった父親に両腕を切り落とされ、あてのない旅に出ることになった娘が、旅の途中で王さまに見初められ、結婚をする。やがて子ども(男児)をもうけるが、またもや悪魔の策略によって、王

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カテゴリー:DVD紹介

市民映画『バリアフリーかあちゃん』によせて  石丸みどり  

2019.01.14 Mon

愛知県知多郡東浦町は、知多半島の北東部に位置する、人口約50,000人の町。平成30年に町制70周年を迎えるにあたって数多くの記念事業が行われました。その一環として、市民有志による「ひがしうら映画プロジェクト」が立ち上がり、映画の制作に取り組んできました。 町からの補助金、協賛金、クラウドファンディングなどで資金を募り、町内でオーディシ

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カテゴリー:新作映画評・エッセイ / イベント / 映画を語る

『ジュリアン』  愛は、言い訳にはならない  中村奈津子

2018.12.28 Fri

暴力を振るう夫から子どもと共に実家へ逃れ、離婚の申請をした妻ミリアム(レア・ドリュッケール)は、11歳の息子ジュリアン(トーマス・ジオリア)の親権をめぐって、夫アントワーヌ(ドゥニ・メノーシェ)と争っていた。裁判では、ジュリアン自らが書いた「僕も姉さんもあいつが嫌いです。週末の面会を強制しないでください」という陳述書が読みあげられたのだが

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