シネマラウンジ

映画と女性と社会をつなぎます。フェミニズム、ジェンダーを視野に入れつつ、映画をとおして世界の女性の多様な生の現実にふれ、ともに語りあえるような交流の場をめざしています。新作映画評、エッセイ、対談・座談会、女性監督の言葉など、映画とさまざまに関わる女性たちの〈声〉をお届けします。

映画を語る

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『娘よ』トランスナショナルな魅力をもつフェミニスト系サスペンス映画  川口恵子

2017.02.23 Thu

ニューヨークを拠点に活動するパキスタン出身の女性監督による長編デビュー作『娘よ』は、カラコルム山脈の大自然を背景に〈児童婚〉の風習から娘を守る母と娘の決死の逃避行を描くフェミニスト系サスペンス映画だ。 ラホールの大学でコンピューター・サイエンスを学び、国際機関で働いた後、コロンビア大学大学院映画学科で監督業を学んだ異色の経歴の持ち主・ア

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カテゴリー:新作映画評・エッセイ / 映画を語る

映画評:娘よ 河野貴代美

2017.02.19 Sun

原タイトルは、Dukhtar(Daughter)「 娘」という単純な名詞である。これに「よ」を入れて、「娘よ」としたことで、物語性とメッセージ性が生み出された秀抜なタイトルになった。メディア用の試写券を見たとき、娘よ、と「呼びかけられた」評者は直ちに視聴しようと思ったものである。 女性であれば常に(出産直後母が死亡したとしても)母の娘であ

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カテゴリー:新作映画評・エッセイ

『愚行録』物語の迷宮の底に女女格差が― 川口恵子

2017.02.15 Wed

同じ人物・出来事について複数の関係者が異なる角度から証言を重ね、真相を曖昧化しつつ、ひねりを加え、観客を物語の迷宮に彷徨いこませる話法は、映画史に名高い『市民ケーン』『ローラ殺人事件』『羅生門』『イヴのすべて』の進化形といえる。近く公開される話題の邦画『愚行録』は、そこに、語り手の属する大学や会社内の小集団でのポジショニングの取り方を、視

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