
画像:署名サイトより
https://c.org/6c88bKDKgY をご確認ください。
以下、https://c.org/6c88bKDKgYより転載
<署名活動の主旨>
今月2日、福島の復興ボランティア団体代表による性暴力事件について、前橋地裁は「無罪」判決を言い渡しました。「不同意性交等罪」に問われていた被告の50代男性は東日本大震災の被災地で復興活動を行っており、20代の被害者女性はその支援活動を通じて男性と知り合っていました。
「女性の証言は信用できず、女性が本件当時、被告人に恐怖・驚がくさせられたことにより被告人と性交をすることに同意しない意思を全うすることが困難な状態にあったと認めるには合理的な疑いが残る」として「無罪」を言い渡したこの判決は、被害によるPTSDに苦しみながらも「同じような被害者を出さないために」と勇気を振り絞って被害を申告した被害者を傷つける結果となりました。
また、この判決の背景には、裁判官をはじめ、司法に携わる人々の性暴力と被害者心理に関する知識の不足、そして、性暴力被害の実態などを踏まえて大幅に見直された性犯罪に関する刑法の規定への理解不足があります。刑法が改正されたにも関わらず、性被害に対する法曹関係者の誤った認識や法の運用が変わらなければ被害者は報われません。
私たちは、勇気を持って被害を申告し、裁判に臨んでいる被害者女性に寄り添い、連帯し、以下のことを求めます。
裁判所に対して
2023年の刑法改正により、不同意性交等罪は、被害者がどれほど激しく抵抗したかではなく、性的行為に同意があったかどうかを中心に捉える方向へと見直されました。それにもかかわらず、前橋地裁の判決は、被害者による拒絶の言葉、当事者間の力関係、そして被害時に生じうる萎縮や抵抗困難の実態、性暴力を受けた後に起こりうる被害者の反応等を、ほとんど無視していました。無罪判決に至った内容に強い疑問を持たざるを得ません。法改正の趣旨に沿った判断となることを求めます。
検察に対して
この判決は、「同意のない性行為は処罰対象になる」という改正刑法の趣旨を著しく損なう不当なものです。一審の無罪判決を「確定」させることは、「不同意性交」という「性暴力」を許すことになります。新たな被害者を生み出さないためにも、上級審で再度審理されることを強く求めます。
無罪判決が出ると報道も控えめになり、この事件についてのきちんとした検証が行われないことに対して危機感を覚えています。無罪判決が確定とならず控訴となるためにも、この事件への関心が広まることが重要なのではないかと思い、被害者女性の意思を確認した上でこの署名を立ち上げました。
拒絶の言葉、対等ではない力関係、そして性暴力被害の現実が、正しく受け止められる司法であってほしい。そのために、本件について控訴がなされ、上級審であらためて適切な判断が示されることを強く求めます。
趣旨に賛同いただけましたら、どうか署名にご協力ください。
たったひとりで被害申告をした女性の励みにもなると思います。
拡散にもご協力ください。
本署名のリンクはこちらです↓
https://www.change.org/muzaifutou0313
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※賛同の際には、change.orgから送られてくるメールで、メールアドレス認証が必要になります。賛同後、メールを確認いただくようにお願いします。
<事件について>
群馬県太田市内のビジネスホテルで2024年7月、20代の知人女性に性的暴行を加えたとして、復興ボランティア団体代表の50代男性(福島県南相馬市)が不同意性交の罪で起訴されました。
このホテルは仕事の都合で利用していたものであり、両者の部屋も別々で予約されていました。
被告は公判で「同意はあった。自然の流れで性行為にいたった」という旨の証言を行い、罪を全面的に否定していました。
それに対して女性は、突如「胸を見せてほしい」と執拗に要求し始めた男性に対して「やめてください」と拒否したにもかかわらず、性的行為が行われたと証言しています。「何が起きているのか理解できず、ひどく混乱して、とても怖い気持ちでした」「恐怖以外の何物でもありませんでした」と、法廷でその時の状況や心情を具体的に述べています。
この女性の証言に対して判決は「信用性に乏しい」として、被告を「無罪」としました。
女性の証言を「信用性に乏しい」とする理由や根拠は極めて不十分であり、性暴力被害の実態を踏まえたものとは言えません。
判決から読み取れるのは、同意していないのならもっと抵抗していたはず、というような裁判官の誤った意識です。
たとえば、女性が当時着ていたワンピースに「ほつれなどが認められないことも踏まえると、A(女性)が腕を上げるなどの被告人に協力するような動作をした可能性が高く、そうだとすると、被告人に抵抗したとするA証言は~整合性に乏しい」と一方的に推論していることや、行為のあった翌日に女性が「来週の予定も、よろしくお願いします」といったメールを送ったことについても、「特段関係が悪化していない様子を窺わせる」と判断していることなど、判決は性暴力を受けた時の被害者の恐怖心や、行為後に相手を刺激したくないとして迎合行動を取るなどの被害者心理を理解していないものです。
女性は性被害のトラウマを抱えながら、「同じような被害者を生み出したくない」と勇気をもって告発しています。警察や検察での取り調べ、公判での証言などでは、2次被害、3次被害ともいえる過酷な体験に耐えてきました。
本署名は、「不同意性交」は「性暴行」である、という認識を広く共有するためにも、今回の「無罪判決」に抗議するとともに、高等裁判所での新たな審理を強く求めるものです。
<不当な判決内容>
「被告人が被害者に胸のサイズを尋ねるなどの発言を繰り返し、ボランティア関係者との性的関係についても話していたことから、被害者は当時の状況の中で、性的行為に及ぶ可能性を認識できたはずであり、自分はその対象ではないと思っていたという認識には十分な根拠がない」という旨の判断について。
⇨ 被告と被害者の間で交わされた会話の大部分は震災や復興活動に関するものであり、セクハラ発言はその中の一部にすぎませんでした。そもそも、被告による発言はセクハラに当たるものであり、そのような発言があったことで、被害者は性的行為を予想できたはずだ、あるいは受け入れていたかのように扱うのは、被害者に責任を転嫁する発想です。セクハラ発言を受けることと、性的行為に同意することは、まったく別の話です。また、被告は娘ほど年の離れた、被害者が尊敬する団体の代表であり、被害者が自分は性的対象にされないと思っていたとしても不自然ではありません。
「被害者は被告人が胸を見せるよう求め、断っても執拗に迫ってきたため、やむを得ずワンピースの胸元のボタンを外した一方で、二人きりの状況では、それ以上の性的行為を全く予想できなかったとは言い切れない」という旨の判断について。
⇨ 断ってもしつこく迫られた末の対応であり、被害者がその場で意思を十分に貫けない状況に置かれていた可能性を示すものです。また、胸元のボタンを外したからといって、性交に同意があることにはなりません。「性行為を予想していなかった方に落ち度がある」と被害者の方を責めている内容となっています。肝要なのは性行為の予想の有無ではなく、拒否の意思表示をしたにもかかわらず、性的行為をされたという事実です。
「被害者が寝不足や飲酒の影響があったとしても、一度被害に遭った後も加害者の隣で再び眠ったことについて、再度危険が生じうる状況でのそのような行動は不自然であり、合理的な説明をすることが著しく困難である」という旨の判断について。
⇨ 被害後に被告のそばを離れられなかったことや、その場で眠ってしまったことは、性的行為への同意を意味しません。被害後に寝てしまったという事例は他にもあり、心理面から十分説明可能と言われています。性被害に遭った直後は、怖さやショックで、頭も体も思うように動かないことがあります。当事者間の力関係を十分に踏まえず、事件後の被害者の行動だけを取り上げ、「本当に嫌だったならこうしないはず」と決めつけることはできません。まして、それを同意していた根拠にするのは不適切です。
「被害者が服を脱ぐ場面の記憶が抜けているのは不自然であり、ワンピースにほつれなどがなかったことから、被害者が被告人に協力するような動きをした可能性が高いとして、抵抗したという証言には疑問が残る」という旨の判断について。
⇨ 性被害の場面では、恐怖や萎縮によって体が思うように動かず、記憶も断片的になることがあります。そうした事情をもって、「同意や協力があったはず」と推認することはできません。
「被害者はその後、被告人の車に乗り、休憩場所として自らラブホテルを検索したことについて、再び被害を受ける危険を高める行動であり、不自然である。被害者は、震災当時、被告人が空き巣犯を骨が折れるまで殴った話を聞かされたことから、被告人を刺激しないようにやむを得ず応じたと説明したが、被告人の意向を汲んだ不自然で不合理な行動だ」という旨の判断について。
⇨ 判決は「自らラブホテルを検索したこと」について、「被害者が嫌がっていたらそのようなことをするはずがない。性的行為を受け入れていたからこそ、自らラブホテルを検索するという行動をとった」という裁判官の一方的な思い込みで書かれています。しかし実際には、被告人から「眠い」「休憩したい」「お前も休みたいよな」と圧をかけられたうえで、「検索してくれる?」と求められ、被害者は自分の身を守りたい一心で検索したと証言しています。被害者は車の中という密室でシートベルトをした状況にあり、恐怖、圧力を感じながらも被告の機嫌を損ねないように必死に対応していたことが、まったく無視されています。性被害を受けた人々の極限の心理状態を理解することなしには、不同意性交罪は適切に裁けません。
「被告人が『A(女性)は後から不貞行為を後悔していると考えた』とする供述には一定の合理性がある」とし、性行為の強要を認めるようなメッセージについても、「『事を荒立てないために、とりあえず謝った』という説明は不自然とまではいえない」との旨の判断について。
⇨ 被害女性の「波風立てないように」という行動には「信用できない」とする一方、被告人の謝罪のメッセージに対しては被告人の証言の妥当性を認めているという見方の根拠が明確ではありません。
<賛同者>
能條桃子(FIFTYS PROJECT 代表)
野中章弘(ジャーナリスト/ アジアプレス・インターナショナル代表 / 早稲田大学名誉教授)
福田和子(東京大学特任研究員 / #なんでないのプロジェクト代表)
<関連報道・参考記事>
ハフポストの報道
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_699bfcf9e4b0f41da8d47b46
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_69a6610fe4b0c9c664ac973e
読売新聞の報道
https://www.yomiuri.co.jp/national/20260302-GYT1T00190/
毎日新聞の報道
https://mainichi.jp/articles/20260303/ddm/041/040/049000c
朝日新聞の参考記事
https://digital.asahi.com/articles/AST3730Q3T37UTFL010M.html
https://digital.asahi.com/articles/AST3F3CH8T3FDIFI00SM.html










