今回は、事例を通じて女性に対する暴力:DVを学ぶ。
前回の講義でDVを受けた女性たちに特徴的に見られることを学んだが、事例の詳細な解説からそれを確認することが目的である。

・被害者像として特徴的に見られること:
①継続的に暴力を受け続けることによって自己像が悪くなっていること
②暴力に対する恐怖と不安への反応として心身に悪いところが見られるようになること
③学習性の無力感から、問題解決が放棄される
が挙げられる。事例からこれらを確認する

・DV防止法について:
目玉は以下の2点
①各都道府県では配防センター(配偶者暴力支援センター)は必置
②保護命令:DV加害者の保護命令違反には刑事罰が科される

・東京都作成の「配偶者暴力被害者ハンドブック」から配防センターの役割を確認する:
①相談
②医学的・心理的その他の必要な指導
③緊急時における安全の確保及び一時保護
④情報提供・援助
DV防止法の制定からかなりの時間が経っているので経験の蓄積があり、支援は高度になっている。警察は積極的に介入し、被害者の保護、加害者の逮捕等を行っている。

 これらの説明を受けたうえで、事例の詳細を解説して戴いた。
3つの事例はどれも激しい暴力被害にあった方のインタビューで、DV被害者に多く見られる特徴を示しており、配防センターや警察の迅速な対応が被害者を救っていた。ただ、中には未だに「夫婦の痴話げんか」程度の認識しかない担当者もおり、DV被害者の救済・支援を担当する者への教育・訓練が必要であることを考えさせられた。

 確かに、DVに苦しめられ続けてきた女性たちへ支援・救済の手が迅速に届くようになったことは以前に比べて格段の進歩であり、女性たちにとっての福音であることは間違いない。ただ、被害者が発生してからの支援と共に、発生しないことを目的とする対策をもっと進めて欲しいと思った。
「DV」とは何か、なぜ加害者になり、被害者になってしまうのか?そのシステム(の解明)が多くの人たちに共有されない限り、被害者を生んでしまうのではないか。被害当事者たちに対してもDV被害を繰り返すことの無いよう「DVとは?」を根気よく伝えていく必要がある。男性たちに対しては特に、「DV加害者更生プログラム」等をもとに、「自分たちが振るう暴力」「DVとは?」を考えさせ(男らしさの虚構を暴き)、周知する必要があることも喫緊の課題であると感じた。