エッセイ

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京都教育大事件を憂う 古久保 さくら

2009.06.02 Tue

 京都教育大学の体育会系の男子学生による女子学生に対する準強姦事件の報道に接して、暗澹たる思いがする。
 共同通信の報道によると、

「卒業生送別会後に暴行事件 京都教育大学長が謝罪」@共同通信
http://www.47news.jp/CN/200906/CN2009060101000678.html
 京都教育大(京都市伏見区)の男子学生6人が、当時19歳の女子大学生に集団で暴行したとして集団準強姦の疑いで逮捕されたことを受け、寺田光世学長(67)が1日午後、記者会見し「卑劣極まりない事件で誠に遺憾」などと謝罪した。

とのこと。 記事によれば、体育会のアメフト部やハンドボール部などに所属する6人の男子学生が、卒業生送別会の修了後に事件をおこしたという。また、学内での調査では「公然わいせつ事件があった」として期限を定めない停学処分にしたが、大学側としては警察へ通報はしなかったという。

 被害にあわれた女子学生のことを思うと、信じていた世界を喪失した思いでいるのではないか、と切ない。同じ年頃の娘を持つ母親としても、なんとか元気になって、さまざまな経験をして豊かな人生をつくって欲しいと切に思う。

 「あなたが悪いんじゃない。」その一言をまず被害にあわれた女子学生には伝えたい。多くの女性たちが性暴力にあった女性たちに寄り添いたいと願っている。そのような女性たちの存在あることを知らせたい。「性暴力を許さない女たちの会」「ウィメンズカウンセリング京都」など、京都の近くでもさまざまなサポートができる団体があることを伝えたい。「あなたは一人じゃない」と。少なくともあなたのつらさをわが身のように感じ、怒り、悲しみ、無力に苦しみながら寄り添いたいと願う人々のいることが、あなたに少しでも元気を与えますように。

それにしても。
体育会系学生が女性に対して性的暴力をふるうという事件は、これが初めてではない。近いところでは、06年1月には、京都大学アメリカンフットボール部の元部員ら3人が女子学生を集団で暴行したとして逮捕されている。
http://www.asahi.com/national/update/0601/OSK200906010046.html

報道では詳しい事情はよく分からないが、そしてまた、被害者のプライバシーをまもるためにも詳しい事情を問い詰めるということをしたいとも思わないのだが、報道どおり「準強姦」ということならば、意思表明が不可能になっている女性に対しての、性的暴行ということになる。
「そんなことをして何が楽しいんだ????あんた達は??」加害者と同じ年頃の男の子をもつ親としても心底悲しい。
「エッチには楽しいエッチと楽しくないエッチがある。双方合意の上、『ほな、やろうやないか』と協力的なエッチが一番楽しいに決まっているじゃないか!!!」と私などは思ってしまう。それを「愛」という必要があるかどうかは意見の分かれるところにせよ、「合意」と「やる気」と「努力」が大事じゃないか。大人はやっぱり言うべきじゃないか。楽しいエッチは、相互理解と協力から、と。
 「やる気」と「努力」。これって、体育会での活動の基本じゃないんだろうか。体育会での経験が、なんで女性とのエッチには機能しないんだ??この問いを、大学体育会に関わる全ての大人は考えてみるべきだ。

カテゴリー:ちょっとしたニュース

タグ:古久保さくら

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