エッセイ

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風邪@1人家族   久津輪麻美

2010.03.10 Wed

 ズルズルズル・・・と鼻水。

 ズキズキズキ・・・と頭痛。

 ゾクゾクゾク・・・と悪寒。

 やばいやばい。ふらつくし、手元がおバカになってきている(物をよく落とす)。
 完全に風邪だ。

 そんなときは速やかにポカリ(500ml)と菓子パン(1袋に6個くらい入っているような、スティックパン系)と、栄養ドリンクを購入し、布団の側に並べ、薬箱とティッシュとゴミ箱もセッティングし、場合によってマスクを装着ののち、就寝します。私はたいてい3日くらい寝続けないと回復しません。以前は一晩ゆっくり寝れば回復していたのですが・・・。

 風邪と言えば看病という、甘い待遇を期待してしまいます。だけど、こちらに越してきてからご近所さんがいないので(寂しい~)、1人で対処することを学習していきました。 「布団から一歩もでない」で済むよう、予め用意すべきものをご紹介すると・・・
 まず、飲み物は片手で持てる500mlか、ストロー付きのパック飲料。割安だからと言って2Lペットを買うと、かなりの確率でこぼします。手に力が入らないのと、だんだんコップに注ぐのが面倒になって、ラッパ飲みをしようとして失敗します。場合によっては鼻に入って、余計な痛みに苦しむことになります。

 次に、菓子パン。寝ながらでも食べられて、腐りにくい食料として最適です。お皿も汚しません。ゴミも少ないです。季節によってはみかんも良いです。皮をむく手間がかかりません。水分補給にもなるし、お皿を必要とせず、置き場所に困りません。以前友だちがみかんを差し入れてくれて、その優秀っぷりに大変感動しました。そして回復期には、インスタントの鍋焼きうどんが良いです。最近は料理に慣れてきたので、お粥を作れるようになりました。

 後は、めぼしいものを全て布団の周りに準備します。助けを呼んでも誰もいませんから、全て布団から手の届くようにするのが大事なのです。

 それよりも、もっと初期対応をして、早めに会社を1日ないし半日休むとかすれば良いのに、なんでできないかなぁ・・・。と反省することも忘れません。

 かつて恋人に体調不良を訴えて頼ったら、「自己管理がなってないね。1回、海外で1人暮らしして死にかけたほうが良いよ」と、愛のムチに見せかけた、ただの意地悪を言われて、「なにくそ」と思いました。その後も、病気のときほど冷たくなる人だったので、別れました。(正確には、「彼なりの配慮」は私にはとってもドライすぎて、勝手にショックを受けていただけなのですが。)でも、良い部分もたくさんあったので、ちょっと後悔しています。(おっと、脱線)

 それにしても、弱っているときに寄り添ってくれたり、「調子どう?」と尋ねてくれたりするだけで、どんなに親しさを感じることか。私は病気のときや「いざというとき」の頼りなさが決定打となって、恋人と別れることを決めました。あっさり終わりました。でも現実は、未だに「別れてよかったんだし、もういまさらどうしようもない」という諦めと、「いきなり別れを切り出す必要はなくて、何か方法があったのではないか」という後悔を、いったりきたりしています。

 風邪を引くたびに思い出しては、泣いたりします。うちには1人しかいないので、心置きなく泣けます。それはなかなかいいものです。

カテゴリー:@1人家族

タグ:家族 / 久津輪麻美

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