
グリーフ(深い悲しみ)を抱えるすべての人へ
絵本『ママのセーター』は、病院に入院しているお母さんを訪ねる場面から始まります。作者ジェイド・パーキンが自身の体験をもとに描いたこの作品は、最愛のお母さんを亡くした女の子が、母のセーターをお守りのように大切にしながら、少しずつ成長していく姿を、子どもの視点で丁寧に描いています。
この絵本のテーマは「グリーフ(grief)」――大切な人や存在を失った時に感じる深い悲しみや、心やからだに現れる様々な反応です。私がこれまでチャイルドライフスペシャリストとして病気や喪失に向き合う子どもたちをサポートしてきた中で、実際に出会った子どもたちもまた、この絵本の主人公のように、混乱、怒り、寂しさや罪悪感といった複雑な感情を抱いていました。
グリーフは多様であり、成長と共に感じ方や向き合い方も変わっていきます。この絵本では、そうした心の動きをこどもの視点からありのままに描いています。
物語の中で、娘の気持ちに寄り添いながら共に悲しみと向き合う父親の姿も描かれており、この親子の姿は、小さな子どもたちはもちろん、同じように大切な人を失った思春期の子や大人の心にもきっと響くはずです。
翻訳にあたっては、文化の違いに配慮しながらも、子どもが実際に感じる気持ちをそのまま伝えられるよう、自然でリアルな表現を心がけました。
春、新しい命が芽吹く季節に、この絵本がたくさんの人のもとに届き、悲しみを抱えるすべての人に、そっと寄り添う1冊となることを願っています。
書名:ママのセーター
文・絵:ジェイド・パーキン
訳:おおくぼ かおり
頁数:26頁
刊行日:2025/5/7
出版社:西村書店
定価:1700円(税別)
慰安婦
貧困・福祉
DV・性暴力・ハラスメント
非婚・結婚・離婚
セクシュアリティ
くらし・生活
身体・健康
リプロ・ヘルス
脱原発
女性政策
憲法・平和
高齢社会
子育て・教育
性表現
LGBT
最終講義
博士論文
研究助成・公募
アート情報
女性運動・グループ
フェミニストカウンセリング
弁護士
女性センター
セレクトニュース
マスコミが騒がないニュース
女の本屋
ブックトーク
シネマラウンジ
ミニコミ図書館
エッセイ
WAN基金
お助け情報
WANマーケット
女と政治をつなぐ
Worldwide WAN
わいわいWAN
女性学講座
上野研究室
原発ゼロの道
動画






