1997年ウィーン国際作曲コンクール1位、「メメント・モリ」受賞時


 今月は、特別編・知る人ぞ知る女性作曲家・徳山美奈子さんをお送りします。徳山さんは「陽の当たらない」どころか、長きにわたり光の当たる道を歩んでこられた方です。そこで本稿では、徳山さんご自身からご提案いただいた「知る人ぞ知る」というタイトルを使わせていただきました。以下の経歴は、徳山さんのホームページを基に最新の情報をご自身にお聞きしたものです 。


 東京藝術大学、ベルリン芸術大学卒業。作曲を池内友次郎、矢代秋雄、尹伊桑に師事。1992年笙とハープの音楽「ファンタジア」で、第5回福井ハープフェスティバル国際作曲コンクール優秀作曲賞受賞。1995年同コンクール審査員。同年、クラウディオ・アバド音楽監督による、1997年度ウィーン国際作曲コンクールにて第1位優勝(日本人初)。受賞作のバレエ作品「メメント・モリ」が、1996年ウィーン・モデルン音楽祭でのオーケストラ初演を経て、1997年ウィーン国立歌劇場バレエ団により振付、舞台上演される(6日間公演)。

1996年「メメント・モリ」バレエ振り付け用ピアノスコア

  1997年ウィーン・モデルンでの初演公演広告



 2003、2004年日本音楽コンクール作曲部門審査員。2006年第6回浜松国際ピアノコンクール日本人作品委嘱作曲家。同コンクール課題曲「ムジカ・ナラ」、2017年第29回日本ハープコンクール課題曲「オリエンタルガーデン」等が代表作。凛として優美な作風は吉野直子、福間洸太郎を始め、内外の多くの演奏家に愛され、再演を重ねている。

 2018年制作「序の舞~上村松園の絵に基づく」は、フランスのLeMonde紙に「絹のように繊細な音楽」と評された。

 2013年より10年間の任期で厚生労働省社会保障審議会舞台芸術専門委員。

 最新作のオラトリオ「光のみちを〜細川ガラシャの愛」が2025年熊本公演、2026年東京公演において大きな成功を収める。

        2025年奈良公演

    2026年「細川ガラシャ」東京公演

     熊本県立劇場での初演舞台風景



 この度の音源は「序の舞~上村松園の絵に基づく~」op.50をお聞きいただきます。上村松園の日本画《序の舞》に触発されたピアノ作品は、深遠で美しく魅了されました。

 以下は徳山さんご自身が楽譜に記した解説です。

 《序の舞》能楽では主に黄鐘調で奏されることから、洋楽でこの帳にあたるイ(A)音を主とする。
 《曲の構造》「序」の中の序破急について。 序の中に又、序・破・急、その各々の中に又、序・破・急が在るという宇宙観。