2011.05.20 Fri
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日本の女性の「現実(いま)」を社会学者の上野千鶴子さんと、カウンセラーの信田さよ子さんが対談形式で徹底解剖する。
日本の「30代・女」は、非婚化・少子化の先駆けの世代であり、ポスト均等法世代である。
平等意識を当たり前にもっているが、実際には強固な男社会の壁を経験している。
近い将来の日本社会の方向を決める過渡期の世代―それが30代の女たちなのだ、と上野千鶴子さんは考察する。
結婚か非婚か。勝ち組か負け組か。
岐路に立ち、信田さんのカウンセリングを受ける女たちが、自己と現実の間(はざま)で、抱えきれない心の闇を露呈する。
当事者性に関心をもち、社会全体の問題として浮き彫りする上野さんとのやりとりは、胸のすく思いがした。
最後に、カウンセラー信田さよ子さんの、「癒しより上野千鶴子」という名台詞が心に染みる、そんな一冊である。
・・・初版から十年、追加対談が収録されて、文庫版に!
(堀 紀美子)
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