2011.09.15 Thu
アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください.ひとは、それぞれの人生という道で迷う。そして行く道を選び取りながら前へと進む。時に、各人の取った選択が総意となり、人びとの運命を諸共に巻き込むことがある。
『フクシマが人災であるということの意味には、ひとの力でそれを防ぐことができた、という含意がある』(本文p.177)私たちは、東電が選んだこの選択を容認した、と言わざるを得ない。
フクシマにつきつけられた人災を招いたもの、それは、原発の危険に対し「ありえないことは考えないことにしています」という思考停止であった。過去に遡れば、これは、敗戦へとつきすすんだ戦時中の日本と重なる。「敗けることは、考えないことにしています」という思考停止。日本は二度の敗戦を迎えた、と上野さんは言う。
私たちが生き延びる道をかけて、私はなにを選び取るだろう。過去を変えることはできなくても、未来を変える選択はできる。私たちが過去に、なにを捨て、なにを手に入れようとしてきたのか、今こそ知る必要がある。
私たちが歩んできた道は、この先も続く。あなたが選択を必要とするとき、本書を傍らにおいてほしい。知ることで押し止められる未来がある。
堀 紀美子
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