2011.12.14 Wed
アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください.60代・東大名誉教授、20代・気鋭の東大院生、上野先生と古市くんの対談集。団塊世代と団塊ジュニア世代が語るテーマは、古市くんが抱える親の介護不安に端を発し、「それより自分たちのこれからのほうが不安だった」という不安、そして、「若者に不安がない、という不安」へと暗澹とすすむ。
介護適齢期といわれるのが40代くらいから、と考えると、20代の古市くんは年齢的にまだ早い。しかし、不安を先取りしてしまうのがこの世代の傾向、なのだそうだ。今どきの20代あたりの世代が不安を先取りすると言えば、この御時世、ムリもない。
そして、行きついた先には、今の若者が信頼に足る人なのかという、上野さんの不安があった。「年金問題にしても、介護保険にしても、その都度選択肢を提示して、その費用と効果をちゃんとシミュレーションして、有権者に選択してもらったらいいのよ。ただし、ここで非常に不安なのは、今の若者が、選択をする主体として信頼に足る人々なのかどうなのかっていうこと。(本文p.213)」
不安の塊でできた泥舟を沈没させず、いかにしてソフトランディングにもっていくか、ネガティブ発言過多な古市くんの切々たる質問は続いていく。
ベストセラー『おひとりさまの老後』の帯の名文句、「これで安心して死ねるかしら」に呼応して「上野先生、勝手に死なないでください!」と、この対談は始まった。聞いておきたいことは山ほどある。世代間連帯で柔軟に着地点を見つけたい。見つけて安心に暮らしたい。カヤマーのあなたも、カツマーのあなたも、誰もが平等に年をとる。今もこの先も自分らしく、責任ある行動を選びとるためのヒント、(介護問題だけじゃありません)盛り沢山、ここにあります!
堀 紀美子
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