2012.02.09 Thu
発表趣旨
人間の存在を定義づけ、社会的変化の中で論じる社会学の用語ではなく、かといって自己正当化につながりがちな個人的視点からのみ語る発話行為とも違う形で、自らを歴史的存在として振り返り、これまで文学・映画の領域で探ってきた研究テーマとすりあわせつつ、最良の聞き手を前に、「語る」こと。その行為を通して、私が生の現実において遭遇した出来事の意味を再考し、適切に表現する言葉を獲得すること――それが、本発表の趣旨です。
研究報告ではありません。当事者研究に近いかもしれませんが、それ自体を目的とはしていません。自己の問題を、ひとたび、他者に向けて「開く」ことを通して、自分自身、今後も考察し続ける、そのプロセスの一端として、発表という形式をふみたいと思います。