上野研究室

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図書 第757号 2012年3月 ーデンマーク福祉は移植できるかー

2012.03.06 Tue

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 「国民連帯率」「社会連帯率」―聞きなじみのない言葉かもしれない。これは、高福祉を支えるため、国民が高負担を合意することを意味する。日本は、これから超高齢社会をどう生きていくか、その行く末を見守り、意思決定していくことは、日本人の課題である。

2011年夏、上野さんが高齢者介護の視察研修のため訪れたデンマークは、福祉先進国として高い評価を得ている国のひとつである。デンマークの高齢者福祉は、そのまま日本の福祉に移植できるのか。研究者としての視点で、上野さんはその解を求める。デンマーク福祉の現状を知ることで日本国民は、はたしてその舵を、安心して老い、安心して死ねる社会へと進めることできるだろうか。

家族がいてもいなくても、安心して生き、死ぬことのできる社会を創造するため、私たちが問い直さなければならない意識とは何であるのか。先延ばしにはできない現実と向き合う時、私たちは覚悟して意識を変える。

堀 紀美子

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タグ:高齢社会 / 上野千鶴子 / 堀 紀美子