2014.03.12 Wed
■立命館大学生存学研究センター 2014年度ジェンダー論セミナー
第1回:「ジェンダー生成の場としての宝塚歌劇――規範への挑戦か補強か」
【企画趣旨】
2014年度より、生存学研究センター主催のシリーズ企画として「ジェンダー論セミナー」がスタートします。その第1回のテーマには、今年創立100周年を迎える宝塚歌劇団をとりあげました。「タカラヅカ」と「ジェンダー」という、一見単純なようで実は多様な問題を孕むこの両者の関係性を、音楽社会学・文化社会学を専門とする宮本直美氏に解きほぐしてもらいます。ジェンダー研究者のみならず、一般の宝塚ファンのみなさまも、ぜひお気軽に足をお運びください。
日時:2014年4月12日(土)15:00~16:45
会場:立命館大学衣笠キャンパス創思館1Fカンファレンスルーム
主催:生存学研究センター
参加:参加費無料・申し込み不要
講師:宮本直美(立命館大学文学部准教授)
司会:上野千鶴子(立命館大学大学院先端総合学術研究科特別招聘教授)
【タイムテーブル】
15:00 開会の挨拶・趣旨説明……上野千鶴子
15:05~15:50 講演……宮本直美
15:50~16:00 休憩
16:00~16:45 質疑応答/ディスカッション
【講演概要】
2014年に創立100周年を迎える宝塚歌劇団は、当初から一貫して女性のみで公演を行う劇団であり、近年は世界からも注目されている。宝塚歌劇に関する研究としては、国内では文化史的に読み解くものがある一方で、海外研究者の目はほとんどがジェンダー問題に向けられている。しかしそれらが常に「男役」を対象にしている現状を、本報告の問いの出発点としたい。宝塚歌劇のジェンダー問題を考える上で見落としてはならないのは、女性のみの劇団の中で演じられる「娘役」の存在である。「男役」は「娘役」の存在なしには成立しえない。この点を踏まえ、本報告では、レヴュー導入期の事情と男役の成立、それに連動する娘役の地位、観客層のジェンダー、さらには何度か試みられながらも失敗に終わった男性加入問題も含め、宝塚歌劇がジェンダー配分と序列をどのように操作して一つの‘ジャンル’を形成し生き延びてきたかを明らかにする。
【講師プロフィール】
◇宮本直美(立命館大学文学部准教授)
専門は音楽社会学・文化社会学。著書に19世紀ドイツのアマチュア音楽活動と市民社会を考察した『教養の歴史社会学――ドイツ市民社会と音楽』(岩波書店 2006)のほか、宝塚歌劇団のファンを組織論的に分析した『宝塚ファンの社会学――スターは劇場の外で作られる』(青弓社 2011)がある。
【問いあわせ先】
立命館大学生存学研究センター事務局
TEL: 075-465-8475 FAX: 075-465-8245
E-mail: ars-vive@st.ritsumei.ac.jp
カテゴリー:ちづこの手帖