2011.12.11 Sun
レオナルド・ダ・ヴィンチの素描を元に、水の流れや毛髪をモチーフにした大理石の彫刻を制作したり、水泡や枯葉を触れたらちぎれそうな薄い木彫で表現したりと、美しさと異様さを併せ持つ繊細な彫刻を発表してきた森淳一。本新作展のテーマは「原爆」である。
1965年に被爆都市長崎に生まれた森は、故郷と原爆にまつわる話や遺物を身近に感じながら育った。新作の木彫《trinity》は、三面一体の髑髏をもつ人物像。死神のような恐ろしさを漂わせる作品のタイトルには、「三位一体像」とともに、1945年7月にアメリカで行われた人類初の核実験「トリニティ実験」のイメージが重ねられている。その一月後に同タイプの原子爆弾が長崎に投下されたのである。
さらにセラミックで作られた黒色のマリア像《shadow》は、長崎の浦上教会に残る「被爆マリア」がモチーフとなっている。
森は、これらは「原爆について」の作品ではなく、「原爆そのもの」の彫刻だと語る。対象物への距離のない、暴力そのもの。そこには神と破壊、善と悪、プラスとマイナス、美と醜の区別はない。コントロール不可能な力への限りない欲望をもつ人間の本質が、見るものに突きつけられる。
長崎の運命を身体のどこかに感じながら、ストイックに彫刻を追及してきた森ならではの表現が、3.11後の世界を生きる私たちにさまざまな考察を促す。
Mizuma Art Gallery – ICHIGAYA TAMACHI 11月24日~12月24日〒162-0843東京都新宿区市谷田町3-13 神楽ビル2F
tel: 03-3268-2500
fax: 03-3268-8844
開館時間: 火曜日から土曜日の11:00-19:00
休廊日 : 日曜・月曜・祝日
(Mitsuna)
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