2009.07.16 Thu
「男/女」、「異性愛/同性愛」、「母/娘」、「暴力/愛」―そんな言葉による分節からこぼれ落ちる事柄を、丁寧に拾い上げた名作コミック。
ワタシはバスに乗って海へ向かう夢をみる。心に深い傷を負いながら、そのバスは過去をやり直せる場所へ、母から生まれる以前の時間へ、そしていつしかワタシの中へ―出会っても、出会っても、なお癒されない人間の孤独を描いた作品でありながら、読後に何か温かいものが残るのは、人と人とが「わかり合おうと思て いっしょにおる」ことの意味が、肯定的に表現されているからか。
同著者による『大阪ハムレット』(手塚治虫文化賞短編賞受賞作)も、おすすめ。どちらも大阪を舞台としており、関西弁のセリフが独特の雰囲気を醸し出している。(yoko)
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