女の本屋

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子どもを育てつつ親を看る『とげ抜き新巣鴨地蔵縁起』伊藤比呂美

2009.07.28 Tue

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筆者は『良いおっぱい悪いおっぱい』などがの著書がある詩人で、フェミ業界でもよく知られた人。
主人公は(っていうか筆者そのものなんですけど)現在カリフォルニア在住で、親は日本の、ある地方都市にいて2ヶ月に一回、親の顔を見に飛行機で「出張」します。そこで、介護とも看護とも言えないけれど、扇風機を出したり、「一人はつまらーん」としきりの、親の愚痴を聞いたり、高齢になった人にはやや不得手になってくる手続き関係を、短気集中でやってあげる。
けれども、その間にはもちろん、主人公自身の家族の日常がある。娘さんの一人は摂食障害になったり、自分自身の病気があったり。それだけでなく、休暇は家族で楽しく過ごそうという夫の申し出と、熊本行きを天秤にかけ、飛行機の高いキャンセル料に涙したり(この話はやたらでてくる)。親を遠距離にもかかわらず看る、という日常が忌憚なく描かれます。家族しながら、親も看る。それはおそらく本当はとても消耗することなのだけれど、詩人ならではのおかしみにまみれた、シュールな語りは一読も二読もの価値ありです。社会科学の言葉より、ブンガクの言葉の方が人に届くかも、と思わされるのはこんな本かもしれません。(Fujita)








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