女の本屋

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まっピンクの短歌集 『ハッピーアイスクリーム』 加藤千恵

2009.09.02 Wed

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 まっピンクの表紙に吸い寄せられてこの本を手にとったのは大学に入ってからだった。けれど、頁をめくるたびにあふれだす「女子高校生」の香りに目眩がした。記憶が次々と、短歌という意外な形式で吸い上げられ、鮮やかに紡ぎだされる。それは、かつて私のすべてだった世界。二度と戻れない世界。
 毒々しいピンク色。背伸びしてつけた甘ったるい香水。放課後のポッキー。通学路の夏草の香り。ソックタッチ。制かばんのステッカー。丈をつめたスカート。じゃらじゃらとうるさい携帯ストラップ。色とりどりのペンで膨らんだ筆箱。いつも湿気を含んだ廊下。屋上。告白。校則違反。そして不意に全てを傷つけてしまうもろいナイフのようなもの。
 それはナイフというよりは、薄い紙にちかいかもしれない。油断した指に紙片が食い込み、傷口がぱっくりと赤く花開く。しかし別の方向から力を加えられると、いとも簡単に、折れ、曲がり、くしゃくしゃになってしまう。そういう、脆くて強くて鋭いコトバたち。

  傷ついたほうが偉いと思ってる人は
  あっちへ行って下さい

「女子高校生」加藤千恵のまなざしが、まっすぐに突き刺さる。(TAKIKO)








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