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沈黙を救う言葉『千年の祈り』イーユン リー

2009.09.23 Wed

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 イーユン・リーの小説にでてくる人物は、いつも一人だ。「生まれる時代をまちがえ、大人になってからはずっと暮らす場所をまちがえている」人々を描いた短編集。 「ミス・カサブランカ」とからかわれながら独身を守る高校教師。結婚を期待する母親を拒む、同性愛者のハン。理不尽な人生で、「約束」を守ろうとすれば、最も身近な、愛しいはずの者との間にさえ根深い孤独がまちうける。修百世可同舟――そですりあうにも三百年の祈りが必要な広い世の中で、やっと出会えた縁深い相手なのに。

 それでも、「どうして愛のためにみじめにならなければいけないのだろう。いや、どんな理由であれ、なぜ」と、昂然と問いかける少女・若蘭は、苦しみにもゆずれない自分を自覚する。「自分の気持ちを言葉にせずに育ったら、ちがう言語を習って新しい言葉で話す方が楽なの。そうすれば新しい人間になれるの」という台詞には、過去との新たな関係を模索する祈りがこめられていた。語り得ない理不尽を言葉にしたとき、はじめて人は、自分の生きる場所をつかむことができるのだろう。

 外国語も、フェミニズムも、学問も、言葉はいつも人間が自分を見つめるのを助ける道具だった。自分の孤独を知るすべての人に。(chibigaeru)








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