2009.10.29 Thu
本についての本が好きである。本好きな人に惹かれる。本が好きな作家が日頃何を読んでいるか興味がある。桜庭一樹が『私の男』で直木賞を受賞した頃、桜庭を追ったドキュメンタリーを観た。新宿のど真ん中に住んでいるという桜庭は毎日のように近辺の書店に本を見に行くのだと語っていた(念のために言っておくと、桜庭一樹は女性)。本屋では翻訳ものを必ずチェックするとも言っていたような気がする。とにかく部屋は本だらけだった。何を読んでいるのだろう。興味津々である。 文庫になった『桜庭一樹読書日記』を書店で見つけ、さっそく購入する。言及されている書物がページ下三分の一の部分に表紙カバーの写真、基本情報(発行年月日、出版社+コメントつきのものもあり)とともに紹介されている本書は、読書ガイドとしても優れものだ。わたしはふだんミステリーをあんまり読まないので、単純に知らない本にたくさん出会えてうれしかった。また作家の日常も垣間見られるのもおもしろい。そうかこんなふうに生活をしながら『××』を書いていたのね、と。ところで『桜庭一樹読書日記』には実に多くの食べる場面が登場する。カレーを食べ、焼きリンゴを食べ、二十世紀梨を食べ、豆腐竹輪(鳥取の名産品らしい)を食べる。とにかく読書の秋、食欲の秋におススメの一冊です。(lita)
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