2009.11.19 Thu
これは米国の作家トルーマン・カポーティ(1924-1984)の短編集です。子どもの無垢をテーマにした六つの物語が収められています。無邪気で美しいが傷つきやすく、時には残酷な一面も見せる子どもの姿に心を打たれます。子どもには無償の愛が不可欠だと感じさせる作品でもあります。この六編のうち四編は自伝的要素の強い作品です。そのなかで、クリスマスを目前にお勧めするのは、「クリスマスの思い出」(1956)と「あるクリスマス」(1982)です。 少年バディは、幼い頃、山奥にある親戚の家に預けられます。そこで祖母ほどの年齢のいとこから惜しみない愛情を注がれ、牧歌的な日々を送ります。そんな彼らの幸せなクリスマスを描いたものが「クリスマスの思い出」です。一方、「あるクリスマス」は、離れて暮らす実父と都会で過ごしたクリスマスのスケッチです。実父に対する静かな怒りと、実父を愛したかったのに愛せなかったという悲痛な思いが伝わる作品です。(igamidori)
カテゴリー:わたしのイチオシ









