2010.01.22 Fri
安野モヨコの漫画家デビュー20周年を記念して、珠玉の名作が収められた短編集『カメレオン・アーミー』が文庫版になりました。
収録作品の発表年は1995年から97年にかけてなので、今からざっと10年以上前なワケですが、まったく色褪せていない…いや、むしろ、あの頃まだ子どもだったために理解できなかったシチュエーション、発見できなかったテーマが次々に出て来て、幾度となく「ウォーター!」と叫びそうになりました。すっごくよく分かる、分かりすぎるのです。
ヘレンケラー現象が最も顕著だったのは、タイトルにもなっている「カメレオン・アーミー」。勤めはじめた会社で地味女子にメイクや服装を徹底的に真似され、最終的に「あたし自身」を乗っ取られてしまう主人公。しかしそれは「あたしの」メイクや服装でありながら、その実「流行り」のもの「若い女の子なら誰でも同じということ」でしかない。わたしを作り込む程に、わたしは遠ざかって行く。アイデンティティの問題系にずっぽり嵌りながらも、わたしたちは働いて生きて行かねばならない、という主張がはっきりしているのがいかにも安野流ですが、ただ「生きろ、働け」と言うのではなく、そのための強さを読者にちゃんと届けてくれるのでご安心を!(tomica)
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