女性バックパッカーだからこそ感じること(15ヵ国目/世界一周)

<世界一周で使用しているバックパックとリュック>

スリランカを出てから、ドバイ、ジョージア、アルメニア、スペインなどを経て、ドイツで15か国目となりました。アジアとヨーロッパのギャップを感じながら、いまはドイツ・フュッセンのメルヘンな街を堪能しています。今回は、訪れた国に焦点を当てるのではなく、これまでの旅で女性バックパッカーだからこそ感じたことを書いていこうと思います。

私はいま、1年間をかけて世界中の国をまわっています。アジア、ヨーロッパを訪れたあとは、アフリカ、アメリカ、南米へ行く予定です。しかし、今回の世界旅行は決して優雅なものではありません。金銭面での縛りがあるからです。予算は150万円。その中から観光費、交通費、宿泊費、食費、その他諸々をやりくりし、節約しています。高級ランチに豪華なディナー、夜はホテルでゆっくりと、なんていう日常はありません。節約のため安い飲食店に入ったり、自炊したり。バスタブなど期待できず、水シャワーを浴びたり、タンクにたまった水で体を洗い流したり。日本にいては体験できない環境に身をおいています。

私は、少しでも安い宿を「booking.com」というサイトで探し、そこで寝泊まりします。以前、男女混合ドミトリーで寝ていたときに、見知らぬ男が私にキスをしていたという不気味な出来事があって以来、極力女性専用のドミトリーを選ぶようになりました。しかし、ヨーロッパだと文化の差からか「ミスで男女混合ドミトリーになったけどごめんね」とよく言われます。男女混合ドミトリーだと、少し厄介なのが、洗濯物を乾かすとき。基本的にランドリーサービスは使用せず、洗面所で手洗いし、洗ったものはベッドで干します。しかし、男性もいるドミトリーだと恥ずかしくて干すことができません。一生懸命ドライヤーで乾かします。

 <発展途上国のお風呂はこんな感じです>

海外の慣れないトイレは想像以上に大変です。発展途上国では狭く汚いトイレが基本なので、用をたすだけでも一苦労。バックパックを持っている時の大変さといったら。それが生理の日となるとさらに一苦労です。

女性の方がお金がかかる場合もあります。例えばドバイでは、女性1人だと一般的なタクシーに乗るよりも割高なピンクタクシーに乗ることを勧められます。それがドバイという国で女性1人がタクシーを利用するためには、より安全な方法だからです。

海外で日本人女性は気に入られやすく、特にアジアではしょっちゅう声をかけられます。結婚しているかどうかや、彼氏の有無を聞かれ、そこで結婚していない、彼氏がいない、と言ってしまうと、続くのは激しいアピール。そのような面倒臭い事態を防ぐため、私はいつも既婚者のふりをしています。架空の夫の話を持ち出してはその場を離れます。

女性1人で海外を歩くときは、常に危険と隣合わせ。特に南アジアではそう感じることが多くありました。外にいるのはほとんどが男性だったり、バス内を見ると満員で20人ほどが乗り合わせているのに、自分以外の女性が1人もいなかったり。ほとんどの国を私は1人でまわっているので、男性に比べて危険に対する意識が自然と高くなります。そうでもしないと、海外では自分の身を守れません。女性が1人で海外を旅行する際は、危機管理を徹底すること、その国について知っておくこと、女性特有の旅先での問題を知っておくことが重要だと思います。世界一周を始めて、数ヶ月が経ちそろそろ旅行にも慣れてきた頃。そんな時期だからこそ、もう一度身を引き締めていく必要があると感じる日々です。

最後になりましたが、この旅行の記録はtwitter @HS_411KP、instagram @hitominosekaiで発信中です。興味を持たれた方は、ぜひ見にきてくだされば嬉しいです。(佐野仁美)