2018年9月12日、東京地方裁判所にて、2016年11月30日に開かれた学校法人城西大 学理事会における小野元之氏(元文科省事務次官)の発言をめぐり、水田宗子さんが 小野氏に対して提訴した損害賠償請求訴訟の判決が言い渡されました。

 法廷は小野氏の水田さんに対する侮辱を不法行為として認め、小野氏に損害賠償を 命じました。

 当該の理事会は、水田さんが小野氏から退任しなければ解任すると理事長退任を迫 られた問題の理事会です。小野氏は、その理事会上で水田さんの解任動議を提案する にあたり、水田さんを「認知症」と推測したり、「セクハラ」行為を行っていたなど の内容の発言を繰り広げました。それらが不法行為として認められました。

 理事会における発言に「公然性」があったかどうかの争点において名誉棄損は認め られなかったものの、発言それ自体が水田さんへの侮辱であることが法廷で認められ ることになりました。学校法人という公共性、公益性の高い法人の理事で構成されて いるはずの理事会における理事の発言が、違法性のあるものであったことが司法に よって認められた、画期的な判決です。

  以下は、水田宗子さん代理人弁護士の大室俊三氏のコメントです。

「理事長解任動議の際解任すべき理由として述べた発言を違法であると裁判所が認め た意義は大きい。このような発言に引きずられてなされた決議、違法な発言を放置し ただけでなく発言した小野氏を理事長代理に選任した理事たちの責任を、今の理事た ちはどのように考えるのか、今後問題にしたい」

 現在、水田さんは学校法人城西大学や、学校法人城西大学法人事務局長(元文科省 官僚・北村幸久氏)に対しても提訴を行っています。数ある訴訟のうち、判決が出た のは今回が初めてです。今回のように勝利の一歩を積み重ねていけるよう、水田さん をはじめ支援者はがんばっています。

 なお、一連の城西問題の経過につきましては、以下のURLよりWANサイト内の 過去記事をまとめて読むことができます。ぜひご一読ください。 https://wan.or.jp/general/tag/josai-international-university

 WANの皆様には、ここに至るまで多大なご支援をいただいておりますことに厚く 御礼を申し上げます。今後も複数の訴訟の審理が続きます。ひきつづきよろしくお願 い申し上げます。

水田宗子さんを支援する会一同

【今までの記事は以下をご覧ください】
https://wan.or.jp/article/show/7425