2010.02.09 Tue
中村うさぎによると恋愛市場における「イタい女」三羽烏とは、次のような「身の程知らずの勘違い女」のことだという。
①ババアのくせに必死で若作りをして、若い男に入れ揚げている女。
②デブのくせに「巨乳」自意識を持ち、平然とモテ自慢などをする女。
③ブスのくせに男好きで、合コンなどの場で妙にはしゃぐ女。
ところで本書は「イタい女」にならないための本ではない(そんな本なら薦めない)。
「イタい女」って、ホントは「イタい」と思う人たち(女たち)の問題なのだ。自分のコンプレックスを戯画化して見せる「身の程知らずの勘違い女」、だからわがことを見るようでイラつく、要するに「イタい」というわけ。だってそれから超越していれば、別に他人のことだし、どうだっていいじゃないと言えるはずだから。
さて自意識にがんじがらめの(多くの)女たちが「イタい女」にならないために身につけているのが自らを卑下する「姥皮」。なるほどね。自分を見る自分から解放されるのは難しい。「勘違い女」と見られるくらいならいっそ自分で自分を貶めよう、と。
でもここで、そもそも恋愛ってそんなに大切?とふつふつと疑問がわいてきた。しかし中村うさぎのスゴいところは、ここからなのだ。これまで「イタい女」について熱く語っていた彼女は急に自らが「恋愛市場価値」にこだわりすぎていたことを反省し、「私は〈個〉であることの自由と引き換えに、他人から愛されたいという欲求を諦めた女である。嫌われ者でもいいから、私は私でいたいのだ。それが私の〈個〉の自覚と選択なのである」と宣言してしまう。いやぁホレボレする。(lita)
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