2010.08.19 Thu
『時が滲む朝』で日本語を母語としない作家として初めて芥川賞を受賞した楊逸のデビュー作。
中国人のワンちゃんは日本人男性と中国人女性のお見合いツアーをコーディネートしている。自身もかつてお見合いツアーによって現在の無口な日本人の夫と結婚した。遊び人の前の夫から逃れるべく中国から日本にやってきたものの、ワンちゃんの現在の結婚生活はけっして幸せとは言えず、彼女を結婚生活につなぎとめているものといえば、話し相手のできたことを喜ぶ姑である。そしてワンちゃんはひそかにツアー参加者の朴訥な男性に切ない思いを抱いている。 ツアーに参加している日本人男性のいやらしさや必死さ。ワンちゃんの周りの男性は日本人も中国人も、前の夫、彼との間の息子、現在の夫、その兄と、彼女が胸をときめかせる男性以外、ろくな男はいない。話の筋だけ追うと、やりきれないけれど、楊逸の語り口はどことなくユーモアがあり魅力的である。
本書に収められた『老処女』は、日本の大学院を出て、大学で講師をしている40代半ばの中国人女性の結婚をめぐるいわば妄想の物語である。婚前交渉なんてもってのほかという価値観をもちつづける主人公。講師をしている先の大学の中村先生と一言あいさつをしただけで、相手も自分に気があると思いこむが…。こちらも滑稽だけれど、切ない。(lita)
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