2011.02.17 Thu
アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください.わたしたち人間は一人で生きていけない限り、必ずそこには、政治的な力(権力)が作用しています。政治的な力は、わたしたちの生を束縛しもするけれども、政治的な力はわたしたちをさまざまな社会的束縛から解放してもくれます。本書では、そうした政治的な力のもつ両義性に着目しながら、生と政治がいかに密接に関わり、人々の営みのなかで、政治からの解放、あるいは、政治力の獲得といった運動がなされているかが描かれます。
編者による「序」では、「政治的に「生きる」--能動と受動のあいだで」と題して、政治に受動的に巻き込まれ、国境をはじめとした複数の境界に拘束されたわたしたちの想像力に対する反省と、逆に想像力を駆使して、能動的にひとびとと繋がり、政治的な力を得ていく過程のもつ、未来に対する可能性を考えました。
第一部は、「分断する政治--生の諸相から、問い返される政治」と題して、第一章「つながる・つなぐ」に始まり、「産む」「共に在る」「いたわる」といった論考が収められています。
第二部は、「横断する政治--生の諸相から、問いかける政治」と題して、第5章「見る」から、「依存する」「働く」「食べる」「物語る」といった、生を形作るわたしたちの行為と政治の作用について考察した論文を集めています。
本書の一番大きな特徴は、ジェンダーの視点からシングルマザーに関する論考が、三本収められていることです(中川志保子論文「共に在る」、内藤葉子論文「依存する」そして、山森亮論文「働く」)。
「食べる」といった行為と政治がいかに関係しているのだろう?といった素朴な関心からも読んでいただける構成となっていますので、政治思想はちょっと難しくて、という方にもぜひ手に取っていただきたいです(編者 岡野八代)。
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