2011.04.24 Sun
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痛いのがイヤ。病気がこわい。そしてこの時期は花粉症がものすごくつらい。でもわたしは、わたしの身体からは逃れられない。
本書『身体のいいなり』では、10代のころから腰痛もちで、アトピー性皮膚炎に苦しめられていた著者が、30代で乳癌に罹り、乳腺全摘出を含む三度の手術を受け、乳房が再建されるまでが語られる。とはいえ本書はいわゆる闘病記の類とはずいぶん趣が違う。「貧すれば病みつき、病みつけば貧する」という貧困と病の負のスパイラルには身につまされた。そして癌の治療中にヨガと出会った著者は、乳房再建手術から二年経った本書の執筆現在、「癌になる以前よりずっと元気だ」と記す。
「気恥ずかしいのをこらえて書けば、身体と心(意志)は連動している。切り離しようがない。なのに私は生まれたときから意志だけで生きていけると思い込んできた」と過去の自分を振り返る一方で、内澤は「意志だけで生きてきた人生」を後悔しているのではない。「これらの体験は私にとっては病との闘いというよりは、意志と身体の闘いであった」という彼女は、「双方並び立つうまいバランスの再構築」の必要性を感じている。(lita)
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