2011.06.18 Sat

41-bZf15ftL._SL160_

どこでもない場所 (海外秀作絵本)

訳者など:セーラ・L. トムソン ()

出版社:ほるぷ出版

 セーラとロブによる、不思議な世界三作目です。クラインの壺のような空間が拡がります。画風はシュールレアリズムです。ドールハウスに部屋がいつの間にかそれをのぞき込んでいる子どもたち自身の部屋へとつながっていたり、スキーが桜の枝の上を滑っていたり、相変わらず、めまいの度数の高い仕上がりです。  ルネサンスの時代、遠近法が取り入れられてから、それを逆手に取った異空間はたくさん描かれてきましたが、このシリーズはそれの優れた絵本版と言えるでしょう。  中性の宗教画が2D(結構好きです)だとすると、ルネサンス以降それは3Dとなったのですが、映画が3Dへと変わろうとする現在は、ルネサンスが近代を準備したように、あたらしい時代への橋渡しをするデジタルなルネサンス時代なのかもしれません。

カテゴリー:芸術 / 環境 グローバル / 自然科学 技術 / ひこ・田中の、 子どもの本イチオシ

コメント

※コメントをするにはユーザー登録をしてください。ユーザー登録がまだの方はコメントの閲覧のみできます。ユーザー登録

※ユーザー登録済みの方はログインしてください。