イベント情報

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主催者:
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開始日時: 2011年05月08日 (日) 14時00分
終了日時: 2011年05月08日 (日) 16時00分
会場: ふるさとの家(西成区萩之茶屋3−1−10)
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連絡先: 090−8795−9499(野宿者ネットワーク)当日連絡先
登録団体:
パンフレット:
詳細: 講師:嶋田ミカさん  (龍谷大学雇い止め事件原告)
 最近、多くの大学で「高学歴ワーキングプア」と称される非正規の教員が増加
し、有期雇用や「雇い止め」が横行しています。しかし、ほとんどの人が次の就
職などを考え、泣き寝入りせざるを得ないでいます。龍谷大学特別任用教員助手
の嶋田ミカさんは、2010年3月、「雇い止め」を通告されました。嶋田さん
は2007年4月に経済学部サービス・ラーニング・センターに3年契約(1回
更新可)の助手として採用されましたが、大学当局から何らの理由も明らかにさ
れることなく、単に「期間終了」というのみで解雇されました。嶋田さんは、龍
谷大学教職員組合を通じて大学当局と交渉を続けてきましたが、大学当局の態度
は全く変わりませんでした。嶋田さんは今回の雇い止めは、あまりに理不尽であ
ると考え、京都地方裁判所に提訴することにしました。
 嶋田さんは途上国の、特に女性の貧困問題の研究を続け、インドネシアの貧困
女性を対象にマイクロ・クレジットを供与する活動も続けています(裏に原稿
「女性の貧困の連鎖—雇い止めとマイクロクレジット」)。途上国の貧困は依然
として深刻ですが、経済的なグローバル化の中、日本の大学の雇用問題について
も貧困やワーキングプアの問題が押し寄せてきています。それらを別々に考える
のではなく、途上国と先進国の人々が互いの違いを理解しながら、共に問題に取
り組むことがあらためて求められています。
今回の座談会では、「大学における有期雇用問題・龍谷大学雇い止め事件」につ
いて、そして「アジアにおける労働力の女性化」として、・現代の奴隷制−海外
出稼ぎ女性の実情、・稼ぎ手化する女性たち、・来日看護士介護福祉士をめぐる
諸問題、・「ホームレス」と「物乞い」など、日本とアジアの女性の労働と貧困
をめぐる様々な問題について話し合っていきたいと思います。

★託児・筆談の必要な方は事前にご相談ください。cex38711@syd.odn.ne.jp
★ふるさとの家への行き方
JR大阪環状線新今宮駅東改札を出て右折→交差点を南(作業着量販店側)に渡
って右折→西向きに歩いて線路を横切る→ローソンの前の道(銀座通り)を左折
→右手に西成警察を見ながら南下→左手に消防署→そのすぐ南の建物  
当日連絡先:090−8795−9499(野宿者ネットワーク)
主催:生活保護切り下げに反対する実行委員会

▼女性の貧困の連鎖—雇い止めとマイクロクレジット—
龍谷大学雇い止め事件     原告 嶋田ミカ

2010年3月、龍谷大学経済学部特別任用教員助手だった私は、雇い止めになりま
した。大学当局は採用時に1回更新可と明言していたにも関わらず、今日に至る
まで、明確な理由を示していません。
私の専門はインドネシアの女性労働です。中部ジャワの小さな市場で、野菜や惣
菜を作って売る零細な女性商人の調査をしてきました。彼女たちは早朝から夕方
まで市場であるいは行商で売り歩いても、米1kg分の収入にしかなりません。労
働力の女性化が進んだ結果、途上国女性の多くは、このような「ワーキングプ
ア」の状態にあります。男性は、零細な農業や日雇い労働などの不安定で不完全
な仕事しかありません。実質的に貧しい一家を支えているのは、女性なのです。
1997年のアジア経済危機以降、女性の負担は一層増えました。この苦境を目の当
たりにして、1999年12月から、女性商人に対して無利子の融資を始めました。そ
れまでは、いくつもの月利20%の高利貸から運転資金を借りて、わずかな稼ぎが
利払いに消えてしまう女性も珍しくありませんでした。でも、無利子の貸付を始
めてからは、次第に高利貸から脱却し、事業も生活も安定してきました。
現在、100名ほどの女性商人に融資していますが、返済率は99.4%とグラミンバン
クを上回っています。グラミンバンクの貸付は年利20%ですが、私たちは無利子
です。援助である以上、無利子は当然だと思います。また、借り手一人一人と信
頼関係を作り、事業経営や家計状況などを把握していることも、高い返済率に繋
がっていると思います。現在、多くの女性商人に貯蓄の余裕が生まれ、売れ行き
が悪い日の運転資金にしています。条件さえ整えば、彼女たちには貯蓄をする意
欲も能力もあるのです。
返済は日賦で、貸付や返済の集金は、3人のスタッフが担当しています。彼らの
給料などクレジットの運転資金は、私個人が負担してきました。3人とも正直で
誠実な人たちで、10年間金銭的なトラブルはありません。国と国の国際協力では
なく、アジアの女性同士が手を繋ぐ「民際協力の試み」 です。
しかし、私が雇い止めになったことで、順風満帆だったマイクロクレジットが危
機に瀕しています。無職無収入になってしまった今、どうやってスタッフの賃金
を払い、雇い続けていけばいいのか、途方にくれています。このままでは、「雇
い止めの連鎖」になってしまいます。途上国で特徴的だった貧困とワーキングプ
アが、経済のグローバル化によって、先進国の大学の現場にまで押し寄せてきた
のです。
また、せっかく高利貸から脱却した100名の女性たちは、無利子のクレジットが
なくなればいったいどうなるのでしょう? 再び、高利貸しの借金地獄に陥れば、
家族の生活までも悪化してしまいます。
7月5日、理由無き雇い止めの撤回を求めて、京都地裁に提訴しました。幸い、
「雇用継続を求める会」 という支援組織ができて、多くの皆さまの賛同をいた
だきました。その中には「他人ごとではない」「事情があって、声を上げられな
い」「雇い止めで人生を絶たれた」などの悲痛な声が寄せられています。私は皆
さんのご協力を得て、なんとしても雇用継続を勝ち取らなければいけません。大
学の有期雇用問題改善のためにも、また、ジャワの女性商人の貧困緩和のために
も・・・