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4.15 日常が永遠に続いても、関係は変わるかもしれない。 タキコ
2012.08.31 Fri
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私事ですが最近、結婚というものをしました。
内訳としては、もともとパートナーと一緒に暮らしていたため結納はなし、双方の両親を引きあわせて食事会などし、入籍をして、親戚回りをして、結婚式と披露宴もするという結婚で、公文書以外は旧姓使用です。
よく、「結婚して何が変わった?」と聞かれます。入籍や結婚式に伴うバタバタはありましたが、私とパートナーの関係や生活、つまり日常は、ほとんど変わりません。一番変わったのは親との関係でした。私はもともと親に反発して家を出ていたこともあり3年近く疎遠だったのですが、とくに「入籍」というイベントを境に、「夫」を実家に連れてこいだの、向こうの家にはきちんと挨拶しているのかだのと言われたり、旅行のおみやげをやりとりするようになりました。なにより、両親の笑顔が増えました。
田舎の旧家で「もっと自由になりたい」と叫ぶ私は、親にとって正体不明のモンスターだったのだと思います。それが「結婚」という、親にも理解できるステージを選んだことが嬉しいようでした。共通言語が開かれたみたいな、もっと言えば、親たちの土俵に上がってきたみたいな。
また、かつてはいくら私が家を出たといっても、親にとってはいつまでも「子ども」だったのでしょう。父は「即ち家にあっては父に従い、嫁しては夫に従い、老いては子に従う」と平気でぬかす人ですが、そのこともあり、私が「入籍」することで、(私は夫の責任下に置かれることになるので)理由はどうあれ、私とうまく距離を置くことができているようでした。
人間、なかなか変わることはできません。日常も続いていく。でも、その人にとっての関係の意味が変わることで、関係が変わっていくことはあるんだなと思った次第です。 残念ながらこんなところに寄稿しといて、私はあまり本を読まないので、ドンピシャリとオススメできる本がないのです。惜しい。代わりと言ってはなんですが、結婚式で活用した本を挙げさせて頂きます。WANではなかなか珍しいラインナップではないでしょうか。
巷に結婚式の本や雑誌はあふれています。でも、ほとんどが式場広告であったり、しきたりやマナーでうめつくされていたり、結婚式だから当たり前っちゃ当たり前かもしれませんが鬼の首を取ったようにヘテロセクシズムロマンティックラブ全開、それに加えて良妻賢母だの夫を立てろだとかいう臭いがツンとして、永遠の愛を誓って育ててくれた親に感謝感激涙の結婚式と、まあ忙しいこと。それでなくてもなんだか全体的にモヤッイラッとするものが多いもの。というか大半。
永遠の愛も誓わないしケーキカットもしないしファーストバイトもしません。親しい人たちにお互いがとりあえず人生共にしようかなと思ったパートナーをお披露目して、こんなヤツおるけどまあこれからもよろしくね、と楽しくやる。そういうパーティーとしての結婚式/披露宴の「プロデュース」に、役立った本たちがコレ。
アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください. 「ウェディング・ビジュアル・ディレクター」のワキリエさんの、結婚式のビジュアルブックです。『スマイルウエディング』と『スマイルウエディング レッスンノート』。とにかくオシャレで、眺めているだけで幸せ。ドレスに宝石にスイーツにお花、オンナノコの夢が詰まっています。実際にはとんでもなくお金がかかっているので、実現には程遠いのですが…。センスやアイデアはいただきます。という使い方が吉。そして実はビジュアルのほとんどが新郎不在だったり、カタログ的にではありますが、ときには新郎らしき人がふたりいたり新婦らしき人がふたり三人並んでいたりするのが面白いです。花束やケーキやベールは、処女性や永遠の愛といった意味を離れてただただキレイなものとして提示され、極論すれば愛だの誓いだのなんてものの方がむしろお飾り。ビジュアル万歳!な、オンナノコによるオンナノコのための、プリンセスになる見本帳といえるかも。
アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください. もうひとつは、雑誌『カメラ日和』のバックナンバーです。写真でいかに結婚式を演出するか。演出した結婚式をどんな写真で残すか。そういったことにわりかし特化した特集で、こちらも「ディレクション」方面の本ということになります。「カメラ」を軸にした結婚式演出アイデアが面白く、参考になりました。実際に取り入れたアイデアもあります。
アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください. そして最後に、大御所ゼクシィ。といっても『ゼクシィ アネーロ』という姉妹誌のほうです。オトナの結婚式やら、フリースタイル・ウェディングなど銘打って特集しており、高級感があって見ていて楽しいですし、あまり押し付けがましくなく、海外の結婚式の紹介も多く現実離れしているからか(笑)安心して見られます。ウェディング・プランナー/ディレクターのインタビューなどもあり、やはりディレクション寄り。パッケージプランの式ではなく、結婚式を「作る」ことを想定して作られているように感じます。
実は私、「結婚式なんて、しない」と思っていました。友達の式にいくつか出席して、この人にはすてきだけど、私にはできないな、と肌で感じていたからです。そもそも永遠の愛が誓えねーよ!
でも、ちょっとどんなものか見ておこうかしら、となり、式場見学など行ったときに、ブライダル業界のスタッフさん達は、意外とフリースタイルだったんです。たくさんの結婚式を見てきておられるからでしょうか、いろんな考えの新郎新婦がいることは了承済みで、「自分たちのやりたい式をやったらいいじゃないですか。お手伝いしますよ!楽しいパーティーにしましょうよ!」という方が多くて驚きました。あ、結婚式って、御仕着せじゃなくて、作れるもんなのか。目からうろこでした。
というわけで、たいがい好きなようにやらせていただいたので、すごく楽しかったし、あと何回かやってみたいくらいです。結婚式じゃなくていいから、パーティーを。人生にもっと、結婚式以外のパーティーがあっても、いいですよね。
次回「「愛のさきにある無知」」へバトンタッチ・・・・つぎの記事はこちらから
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