2011.08.22 Mon
アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください.1954年に東京の下町に生まれた私は、親たちが絶えず「もったいない」「おたがいさま」というのを聞いて育った。
「もったいない」は有限な資源を大切にすることで、私はこの言葉でリユース、リサイクル、リペアの精神を叩き込まれた。
ご飯はお百姓さんの苦労を思えば一粒も残してはいけないし、広告の裏の白紙は帳面にして使った。
これに対し「おたがいさま」は、いってみれば相互扶助だが、ギブ・アンド・テークとはちょっと違う。 近くにいて困っている人を見すごさない。お金のない人、職のない人、体をこわしている人、子どもに手がかかる人を助ける。そして、してあげるほうが相手の気持ちを軽くするために、「おたがいさまだから」というのである。
本書は、1984年に地域雑誌『谷中・根津・千駄木』を創刊してからあしかけ27年、地域で人々と共に生き、考えてきたことをまとめたもの。 今年3月11日の東日本大震災以降、コミュニティの大事さが強調されている。
しかし個人主義を標榜して無縁社会を推進してきたのは誰なのか。 こうなるとあまのじゃくな私はコミュニティはときに抑圧的に働くこともある、と言いたくなる。とくに放射線値の高い地域から子連れが避難するときなどに。
平生は干渉せず、ふれ合いや集いに参加しない自由をも認めるが、災害時などいざとなったら助け合える「温かくて風通しのよい町づくり」はどうすれば実現できるか、ゆるやかな共同をどうしたらつくれるか、悩み、実践してきた。銭湯、映画館、路地、居酒屋、散歩、交通、お祭り、子育て、介護……
この本には、そのためのいろいろなアイテムをつめこんだつもりだ。読んでいただければ嬉しいです。(著者 森まゆみ)
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