
「ふつうの男子」は変われるか
野球部でレギュラー入りを目指す中学2年生の颯太が主人公。ある日、未来の颯太だと名乗るネコに声をかけられ、「このままだと将来、たいへんなことになる」と警告されます。
一度は、白昼夢だと受け入れない颯太でしたが、このことをきっかけに、いままで気づいてこなかったジェンダーバイアスや、それとつながる社会の仕組みについて目を向け、考えはじめます。
2018年刊行の前作『いいたいことがあります!』では颯太の妹・陽菜子の側からの異議申し立てが描かれましたが、本作では世の中の不公平に気づかず、知らないうちに「男らしさ」を内面化していた男の子が自分事として問題を捉えていく姿に焦点をあてました。
ここ数年でフェミニズム的な視点を持つ作品が増えていますが、女性や従来の「男らしさ」にのれない男性が主人公のものが多いように思います。そうした人物が、社会の不公平さに気づきやすいのは当然のことながら、現在の社会に適合し特に疑問を持たずに生きてきた人が、どうやって問題に気づき向きあっていくのかは、大きな課題です。
本作では、未来の自分を名乗るネコというファンタジックな存在をきっかけにしつつ、ごく「ふつうの男子」が、いかにジェンダーバイアスや競争を強いる仕組みを認識し、考えはじめるかをていねいに描いていきます。
小学校高学年から大人まで、ぜひ読んでほしい作品です。
◆書誌データ
書名 :考えたことなかった
著者 :魚住直子作 西村ツチカ絵
頁数 :160頁
刊行日:2022/10/15
出版社:偕成社
定価 :1540円(税込)
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