2012.08.24 Fri
アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください.サイコセラピストとして日米メンタルヘルスの臨床現場で活躍してきた著者スーザン・ヴォーゲルが、「専業主婦」という切り口から日本社会の変動を描いた、重読に値するエスノグラフィである。
元夫エズラ・ヴォーゲルと共に初来日した1958年から、同一の3家族に三世代五〇余年にわたる聞き取り調査をおこない、アメリカ人女性の臨床家という視点から、専業主婦の物語を繊細かつダイナミックに、愛情をもって紡いでいる。
同時に、ひきこもりやセックスレス・カップルといった現代の問題にも、伝統的な家族・雇用構造の喪失と、それでも消えない「良妻賢母」の母親像の影響という独特な視点を投げかけている。
そして終章に示されている不確かな時代を生き抜くための提言は、自分自身で責任をもって人生の選択をし、心身共に健康に生きていってほしいという、本書の出版直前に逝去された著者から日本人への、最後のメッセージである。(訳者 西島実里)
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