みなさん、こんにちは。いかがお過ごしでしょうか。

オランダでは、4月27日は国王の誕生日「キングスデー(Koningsdag)」として祝われ、街中がオレンジ一色に染まる
一年で最もにぎやかな祝日です。
今年で私にとっては4回目のキングスデーとなりました。
(なお、今年は27日が日曜だったため、実際の祝日は前日の26日に振り替えられました。)


地域によっては前夜祭が開かれ、音楽イベントやパレードなどが行われるところもあるようです。
私の楽しみは、なんといっても街にずらりと並ぶフリーマーケットの散策。

各家庭から持ち寄られた生活雑貨やアンティーク品など、実にさまざまな品々が並びます。
移住当初は、必要な生活用品を少しずつ揃える目的もあって、よく掘り出し物を探して歩いたものです。


4年目ともなると、日用品もひと通り揃い、あえて買い足す必要はあまりありません。
それでも、ヨーロッパの家庭から出る品々にはそれぞれの生活の痕跡が感じられ、ただ見て回るだけでも心が躍ります。



今年、私が手に取ったのはスイス製の水彩色鉛筆。
18本入りで2ユーロ(約320円)という手頃な価格で、以前その家庭のお子さんが使っていたもののようでした。

多少の使用感はありましたが、高品質で知られるスイス製ということもあり、時々しか使わない私には十分すぎるものでした。
むしろ、こんなに質の良いものが手放されるなら、ぜひ大切に使わせていただきたい——そんな気持ちになりました。
新品で購入すれば、同じものは日本で3,600円ほど。文具店で一般的な色鉛筆を買っても1,000円以下では難しい昨今、私にとっては嬉しい出会いとなりました。



この日は、子どもたちが楽器を手に通りに立ち、バイオリンや笛を演奏している姿も多く見かけました。
中でも三人組の男の子たちが奏でていたジャズの演奏は素晴らしく、その場で拍手とともにチップを渡しました。(みなさん13歳から15歳くらい)

小さな才能がのびのびと育まれている光景に、心が温まる思いでした。



国王はこの日、例年通り国民に向けたスピーチを行い、その様子はYouTubeで配信されていました。
しかし、コメント欄には厳しい言葉も並びます。
「この日は何も特別じゃない。物価は上がるばかりで、私たちの生活は苦しい」といった声や、「税金で贅沢しているのに…」という批判もありました。
以前オランダ人の友人に、国王の支持率について尋ねたところ、「私は嫌ってはいないけれど、特別好きというわけでもないかな。オランダ国民からの支持率は60%を切ってるらしいよ。日本の天皇は国民の70%くらい支持しているらしいけど、それよりは低いね」と言っていました。
数字の正確性はともかく、インフレや経済的不安を背景に、象徴的な存在へ向けられる感情の揺らぎを垣間見る思いがしました。



オランダは日差しこそ夏らしくなってきましたが、朝晩はまだ冷え込みます。最低気温が6度前後の日もあり、ダウンジャケットが手放せないのは7月頃まで。
ようやく夏らしい日が数日続いたかと思えば、9月にはもう肌寒くなってしまう……そんな気候です。

それでも、こうして静かに、しかし確かに季節がめぐる中で、日々の暮らしに小さな喜びを見出せることに、あらためて感謝の気持ちを抱いています。

今回も読んでいただき、ありがとうございました。



駅でリードに繋がれたネコがいました。
8ヶ月の子猫ちゃんで人懐っこかったです。



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Sami
1973年生まれ。Feminist、非典型所属者。
WANオランダ特派員
群馬→東京→アメリカ・ノースカロライナ州→東京→2021年11月にオランダ移住(いまここ)
大事なもの:Freedom of Choice
座右の銘:実践あるのみ
猫と幸せに生きています。
自分の居心地のいい場所は自分で作ります。
どうぞご一緒に。
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