藤沼敏子(ふじぬま としこ)
タイトル:大日本帝国の残像 ~中国残留婦人の記憶~
日時:2025年9月2日
会場:オンライン(ZOOM)


退職年月日:2002年3月末
専門分野:社会福祉学(修士)


〈プロフィール〉
1953年生まれ。日本語教師として日本語学校・東洋大学国際交流センター等で非常勤講師として勤務。その後、埼玉県国際交流協会の日本語講座コーディネーターとして、県民活動センターや県内各地の自治体主催の日本語ボランティア養成講座を担当(.入間市、小鹿野町、上福岡市、 毛呂山町、富士見市、春日部市、小川町等)その時に、中国帰国者向けの日本語教室の世話役をしていた残留婦人と親しくなる。また所沢にかつてあった中国帰国者定着促進センターの文化庁プロジェクトに数年間かかわり、日本語教育から中国帰国者の福祉問題に関心が移り大学院に進学(修士課程:東洋大学、博士課程:総合研究大学院大学)。上智社会福祉専門学校、植草短大等で非常勤講師を勤める。2001年、国家賠償訴訟の先行裁判を仲間と共に立ち上げるも家業従事の為、研究・仕事から離れる。2013年、満蒙開拓平和祈念館オープンに伴い、帰国者へのインタビューを再開。

〈最終講義の概要〉
1.自己紹介 
2.大日本帝国の概観。大日本帝国の横暴な振る舞い 満州における女性の役割と支配構造
3.『年表 中国帰国者問題の歴史と援護政策の展開』の4区分に従い、残留婦人たちの経験を証言を通して明らかにする。
 3-1 第一期 戦前:中国残留婦人が生まれた背景。歴史的経緯。その特徴(家父長制)とは何か
 3-2 第二期 戦時下・敗戦後の体験(①混乱と②性暴力)
 3-3 第三期 残留 帰国への遠い日々(③結婚生活)
 3-4 第四期 帰国後の日々・沈黙と差別と偏見(国・親族が帰国を拒否)
4.考察
 4-1 歴史記述における女性の不可視化
 4-2 証言は変化するということ
 4-3 情報を鵜呑みにするな
 4-4 オーラルヒストリーから一般化することの危うさ
 4-5 中国残留婦人たちの記憶の継承