毎月1回のWANac2期のオンラインゼミ。うえの先生による「情報生産者になる」ための研究指導ゼミもとうとう7回目を迎えました。
進捗はそれぞれ。論文を書き始めた人から、研究計画書を再チャレンジする人まで多様です。しかし、「情報生産者になる」という目標は全員共通!
今回も上野先生の愛とそれゆえの厳しさに沢山学んだ3時間でした。

WANAC2期 第7回レポート
研究計画書、目次の作成に引き続き、今回はいよいよサンプルチャプターの発表が始まりました。サンプルチャプターとは、論文の一部(例えば、ひとつの章)を論文と同じように書いてみることを意味します。どの章でも書きやすいところから始めることができます。そして、一人のサンプルチャプターに対して、二人のコメンテーターがサンプルチャプターについてのコメントを行います。コメンテーターによるコメントの発表方法は、原稿にコメントを付け加える、ワードにまとめる、 パワーポイントを使用するなど様々です。サンプルチャプターを作成するステップは重要ですが、誰かのサンプルチャプターにコメントすることも非常に重要な役割です。サンプルチャプターの発表を初めて目にした私は、鋭いコメントに、なるほどと唸るばかりでした。
私は、博士前期課程をどうにか2年間で終了することができました。しかし、博士後期課程に進学した2年目となる今年の3月、まったくの迷える子羊状態でした。自分の研究テーマを提示するのですが、所属ゼミの担当教員を説得することができずに時間ばかりが過ぎていたからです。研究の進め方を学ぶため、他大学のゼミに参加させていただいたこともありました。しかし、うまくいきませんでした。WANac2期の参加をひと月ほど悩みましたが、もうこうなったら上野先生にすがるしかないと、意を決して WANAC2期 の門をたたきました。
WANac2期の初回、4月の第1回で「研究計画書」を発表した時、皆さんの発表があまりに高度で、私は内心震え上がっていました。「私の勉強不足でした」という言い訳がありますが、私の場合は「私が無知でした」が当てはまると思いました。コンテント分析、バーバル分析、ノンバーバル分析、コンテクスト分析、ガイノクリティシズム、ピア、そして、ディシプリン、etc.「何、それ?」と知らない単語ばかりでした。また、浜松合宿で初めて学んだうえの式質的分析法も、「自力で分析を勧められるのかしら?」と自問する日々でした。
私は、現在、映画やドキュメンタリーの中の女性芸術家を対象とした研究に着手しています。映画やドキュメンタリーを観て、「俳優が素晴らしい」とか「ストーリーが面白かった」など、自分の好き/嫌いといった感想を持つだけでは愛好家でしかありません。常に疑問を持ち、「自分が何を知りたいのか」について明白にする必要があります。こんな初歩的なことをいまさら言わなければならない程、私は、「『研究する』とは何を意味するのか」、「論文はどのように書くのか」について無知でした。
そんな私にとって、緊張の連続であるゼミもすでに7回が終了しました。私はこれから目次の作成に取りかかるので歩みは遅いですが、前進しているのは確かです。発表に対する上野先生の厳しくも的確なアドバイス、メンバー全員からのレスポンス、これらにどれだけ助けられてきたことか。おそらく、共に学ぶWANac2期の皆さんには想像がつかないかもしれません。それとも、皆さんも同じように感じられているのでしょうか。この1年間の成果を発表する3月まで、残すところ4回となりました。今期の私の目標は、サンプルチャプターの発表です。上野先生に感謝、WANac2期の運営スタッフの皆さん、WANac2期同期の皆さんに感謝。