http://www.cinemavera.com/index.htmlより

上映スケジュールのダウンロードは http://www.cinemavera.com/files/3501777863048.pdf

https://wan.or.jp/calendar/detail/8579より転載
2026年6月13日から6月26日までの2週間、シネマヴェーラ渋谷にて「羽田澄子生誕百年記念ー福祉、芸術、ジェンダーを通して日本を描くー」と題した特集上映が開催されます。
本特集上映は、日本の女性映画監督のパイオニアであり、半世紀以上にわたり記録映画を撮り続けてきた羽田澄子監督の生誕100年を記念するもので、代表作から上映機会の少ない貴重な作品まで、全13作品が上映されます。
その中から、女性問題に関心をお持ちの方に特におすすめしたい作品をご紹介いたします。

●『ー元始、女性は太陽であった ― 平塚らいてうの生涯』
「誰でも知っているようで、詳しくは知られていない平塚らいてう。しかし、その名を聞くと、すべての女性の心に灯りがともる。なぜなのか。一体平塚らいてうとはどんな人間だったのか。そんな私自身の抱いていた疑問に応え、私自身が感じ取ったらいてうを表現しようとした」

これは、この映画のパンフレットに寄せた羽田監督の言葉です。

女性解放運動の先駆者の一人として知られる平塚らいてう。本作では、最も有名な「青鞜」時代はもちろん、青春期の禅との出会い、女性参政権運動、戦時下のらいてう、そして戦後の反戦・平和運動に至るまで、その生涯が丁寧に描かれます。この映画の大きな魅力の一つは、思想家・社会運動家としての側面だけでなく、恋愛、事実婚(のちに入籍)、出産といった私的な経験や家庭人としての姿にも同じ熱量で光を当てている点です。さらに本作は、らいてうが生きた時代背景も映し出します。それは戦争を繰り返した日本の近現代史であり、その一部は羽田監督自身が生きた時代でもありました。

「一体平塚らいてうとはどんな人間だったのか」

羽田監督がらいてうの生涯に真摯に向き合い、持てる映画的技量を駆使して立体的に描き出した本作は、「私は永遠に絶望しないでしょう」というらいてうの言葉で締めくくられます。

今を生きる私たち女性は、この言葉をどのように受け止めるのか。ぜひ劇場でご覧ください。

●『女たちの証言 ― 労働運動の中の先駆的女性たち ―』
「1920年代の大衆的労働運動の発足に加わった先駆的女性活動家が、男性とともに光をかかげて進む途上で、女であるがゆえに経験せざるを得なかった差別と隷従が、いま尚解決されていないことが、ここに語られている」

これは、本作の企画者である石堂清倫氏(社会主義研究者、1904〜2001)が、映画完成後の1997年に記した言葉です。

本作の製作は、1982年に石堂氏が主宰する「運動史研究会」によって開かれた座談会の記録から始まりました。座談会に参加したのは、大正から昭和にかけて社会主義的労働運動の中で活躍した女性たち――丹野セツ氏、鍋山歌子氏、福永操氏、山内みな氏です。彼女たちは皆、社会主義的労働運動を通じた女性解放を目指して闘った人々でした。本作は、この座談会に加え、複数のインタビューを重ねて、1996年に完成しました。

大正から昭和にかけての時代。映画が制作された1980〜90年代。そして21世紀に入り四半世紀が過ぎた現在。
彼女たちの時代と今と、何が違い、何が同じなのか。
労働運動の中で道を切り開いた女性たちの貴重な肉声は、女性史や女性運動史に関心を持つ方々はもちろん、現代を生きる一人ひとりの女性にとっても耳を傾ける価値のあるものではないでしょうか。

本特集上映では、このほかにも介護福祉、地方自治、戦争、伝統芸能、アートなど多彩なテーマを扱った見応えのある作品が上映されます。
映画に映し出された女性たちの姿から、そして映画を作った羽田澄子監督の視点と感性から、私たちは多くの示唆とインスピレーションを受け取ることができるでしょう。

ぜひ劇場へ足をお運びいただければ幸いです。

(映画配給担当 彼方舎 佐藤)

以下、http://www.cinemavera.com/programs.html#id1より転載

羽田澄子 生誕百年記念 福祉、芸術、ジェンダーを通して日本を描く
2026/06/13 ~ 2026/06/26

上映予定作品一覧(全13本)
『早池峰の賦(186分/16mm)』
『痴呆性老人の世界(83分/デジタル)』
『女たちの証言-労働運動のなかの先駆的な女性たち-(94分/16mm)』
『―元始、女性は太陽であった― 平塚らいてうの生涯(140分/16mm)』
『山中常盤 牛若丸と常盤御前 母と子の物語(100分/35mm)』
『嗚呼 満蒙開拓団(120分/デジタル)』
『角屋七郎兵衛の物語-ベトナムの日本人町-(55分/16mm)』
『薄墨の桜(42分/16mm)』
『古代の美(22分/35mm)』
『住民が選択した町の福祉(129分/16mm)』
『―続 住民が選択した町の福祉―問題はこれからです(125分/16mm)』
『あの鷹巣町のその後(180分/デジタル)』
『あの鷹巣町のその後 続編(59分/デジタル)』

羽田澄子(1926-)
1926年、大連生まれ。自由学園卒。「岩波写真文庫」の編集から映画製作に転身し、『教室の子供たち』(羽仁進)などの助監督を経て、1957年『村の婦人学級』で監督デビュー。岩波映画で多くの作品を手がけた後、1977年に夫でプロデューサーである工藤充と初の自主映画『薄墨の桜』を完成、記録映画作家として新たな道を切り拓く。自由工房を拠点に、『早池峰の賦』(1982、芸術選奨文部大臣賞)や、『痴呆性老人の世界』(1986)、『歌舞伎役者 片岡仁左衛門』(1992-94)、『-元始、女性は太陽であった-平塚らいてうの生涯』(2001)、秋田県鷹巣町シリーズ(1997-2006)など話題作を次々に発表した。女性ドキュメンタリー監督のパイオニアである。

特集「羽田澄子 生誕百年記念 福祉、芸術、ジェンダーを通して日本を描く」(2026/6/13~6/26)におきまして、下記の通りトークショーを開催いたします。
皆様のご来館をお待ちしております。
トークショー
6月20日(土)
13:30『 ―続 住民が選択した町の福祉―問題はこれからです』上映後
ゲスト:大島新監督 聞き手:樋口尚文さん

料金:1500円均一(ポイント鑑賞不可・ポイント加算あり)
※動画撮影・録音はご遠慮下さい。なお、このイベントはシネマヴェーラ渋谷に著作権があります。