はたらく女性のホットライン
昨年度に引き続きWAN基金の助成を受け、はたらく女性の全国センターでは女性対象の電話相談ホットライン「はたらく女性のホットライン」を実施しました。
電話フリーダイヤルで相談員トレーニングを受けたボランティアホットライン女性相談員が、秘密厳守で女性からのさまざまな相談に寄り添い、共に考えていくことを目的としています。「はたらく」ことを「命を支えるあらゆる営み」と捉え、職場のみならず家庭での無償労働を含む様々な相談に対応しています。また性自認女性にも対応しています。
1.日時
毎月0と5のつく日(5,10,15,20,25,30日)
(月~金18:00~21:00 土日14:00~17:00)
WAN基金の助成期間は終了しましたが、引き続きホットライン事業は無期限で実施しています。
2.実施場所
東京 福岡 新潟 大阪 静岡の5か所で電話対応当番制
3.事業の成果
WAN基金助成期間1年間(2025年4月~2026年3月)で173件の相談を受けた。
・電話フリーダイヤルで相談者に経済的負担なく、同性の女性相談員が、秘密厳守で女性からのさまざまな相談に寄り添い、共に考えていくという目的が達せられていると考える。
・「はたらく」ことを「命を支えるあらゆる営み」と捉え、職場のみならず家庭での無償労働を含む様々な相談に対応していくことができた。
・最近の景気低迷、円安、エネルギー危機、イラン戦争などの影響もあり、生活が苦しい人、仕事や住まいや関係性を失っている人、体調が悪化している人など女性の「はたらく」にかかわる困りごとが後をたたないが、それらをていねいに聞き取り、情報提供に努めることができた。
・リピーターの相談が数名おり、同じような話題を繰り返されることも多いが、回を重ねるうちに相談者の声のトーンが明るくなってくるのが感じられる。ホットラインで話をすることが、相談者の支えになっているかもしれない。
・年齢別では40代が最多で、次いで50代、60代が多い。若いSNS世代は電話相談には抵抗を感じる人が多いのも一員と考えられる。
・雇用形態では短時間パート、次に正社員の相談が多いが、最近は正社員の相談が増えている。無職の相談も多いが、内訳は失業中、求職中、専業主婦となっている。
・氷河期世代で長年正社員として勤めてきたが、仕事を干され退職勧奨的な対応で心身に問題を抱えているケースが増えてきた。女性活用が叫ばれるが、企業の女性の管理職ポストはまだ少なく、解雇という会社の評判に影響する対応は躊躇されるので自主退社を促しているのではないかとも推察される。
・勤続年数では1年未満が最も多く、次いで1年以上5年未満で、5年未満がほとんどで、相談者のほとんどが不安定な非正規雇用であることと関連していると思われる。
・相談内容では人間関係の相談が雇用形態にかかわらず最も多い。転職、雇い止め、雇用条件変更にまつわる相談も多い。これは非正規雇用が多く不安定な雇用と関連していると思われる。
・その他の相談内容としては、病気けが、裁判、上司、同僚、親子関係、資格試験、家族関係、宗教、求職、交通事故、セルフケア、夫との関係、将来不安、近隣との関係、パワハラ、カスハラ、いじめ、退職強要、障がい者雇用枠、雇用契約書、年収の壁、ボランティア活動、就職情報、給料遅配など。
4.今後の課題
・前年より相談件数の減少が大きく、その原因については以下のことが考えられる。
① 財政難
郵便料など通信費の大幅値上げで資金不足により男女共同参画センターなどへの紹介カードやパンフレットなどの配布が年一度しかできなかった。
フリーダイヤルのため電話代が大きな経済的負担となっているが、WAN基金からの助成金が大きな支えとなっていることに改めて感謝いたします。
② 人手不足
人手不足により年度途中から電話拠点の一つ大阪が1回線に減り、その後大阪に代わり静岡が参加するまでの間1回線で電話対応していたため、電話がつながりにくく相談をあきらめてしまった相談者もいたことが考えられる。
③ スキマバイトの増加
今までは解雇や勤務時間減などがあった場合、減った勤務時間に電話相談する相談者も多かったが、少しでも収入になればとスキマバイトなどのスポックワーク(時間雇いの働き方)をする人が増え、じっくり相談する時間がなくなってしまったのではないかと考えられる。行政の相談機関などでもまず福祉より働くことが奨励され、とりあえずスポックワークに就く人が増えていることも背景にあると考えられる。
また新手の日雇いならぬ、時間雇いのスキマバイトは労働者の権利が十分尊重されているとは言えず、様々な権利侵害が起きている。スキマバイトで働く人への支援を考えていく必要がある。
④ 相談スキルの向上
人間関係の相談が相変わらず多いが、どのように対応して支援していくかは難しい課題である。今後も定期的な相談振り返りミーティングなどを通して研修していきたい。
5.相談記録集計結果(PDF参照)
2026.08.04 Tue
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