エッセイ

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国際女性デーに日本への思いをはせる イルゼ・レンツ

2011.03.27 Sun

多くのドイツ人が日本の津波の被害者に深い悲しみの気持ちを寄せ、その上、さらにおそいかかった福島の原発事故という災害に心を痛めています。私も、日本にいる家族や友人は無事かと問い合わせる多くのお見舞いメールを受け取りました。日本にいる人たちが、自分たちは一人ではなく、世界中の多くの人が、この暗い春をともに悲んでいることを知ってほしい。

今日、私がお伝えしたいのは、国際女性デーの催しのなかで女性たちが日本へのお見舞いの気持ちをあらわしたことです。この国際記念デーには100年の歴史があり、私の故郷のノルトライン・ヴェストファーレン州でも、津波と原発事故のあとにいくつかの催しが行われました。最初にお伝えするのは、2011年3月19日にノルトライン・ヴェストファーレン州の省庁が、緑の党で女性政策のために尽力しているバーバラ・シュテフェンスの指揮の下で州の解放のために主催したものです。約1000人の女性が参加して、催しを盛りあげました。

もっとも重要なのは、ノルトライン・ヴェストファーレン州の35の女性プロジェクトの紹介で、すべてのプロジェクトの代表者がその内容と関心を象徴的に示してくれました。多くのプロジェクトが内容的にも、また目的とする対象者グループに関しても国際的な関心にもとづいていて、ドイツ人女性と移民女性に語りかけたのです。国際的人身売買に反対するプロジェクトは地球儀をもってきて、トルコの女性経営者たちは木で作った緑の蜂の巣をもっていました。蜂の巣は協調を意味しているのです。組合の女性たちは、同一賃金を求めて騒ぎ立てるためラットルやトランペットを持参しました。

「少女の出会い」の代表者は、50の色とりどりのハートが装飾されたすてきな黒いスカートを着用していました。このハートは少女たちが協力しあって作り飾りつけたもので、このさまざまなハートで募金を呼びかけ、自分たちが日本のことを考えているという気持ちをあらわしたのです。稲妻で引き裂かれたハート、フリーダ・カーロの絵のように血管を描いたハート、薄い色に金粉を振りかけたハート、黒い目を装着したハート、すてきなおまんこを描いたハートなど。「少女の出会い」とは、少女たちが自由に会って、彼女たちの関心を発展させることができる少女のために空間です。彼女たちは、このハートをシンボルとして創造するとともに、日本の人たちに捧げたのです。

翌日の3月20日には、私の住むボーフムの町で、国際女性デー100年記念が祝われ、ここにもたくさんの女性団体や運動に参加する女性たちが集まりました。市の男女平等担当者であるレギーナ・ツァイカは、ネットワークを拡げ、協力して活動を推進することを呼びかけました。彼女は、男女平等のための活動を今なお、くりかえし喜んで行うこと、そしてそのためには女性文化が重要だと締めくくりました。それから、クラリネット奏者とピアニストの音楽カップルが演奏し、最後に、「日本のために演奏したい」と言いました。即興で、小鳥のさえずりや風のモチーフが取りあげられ、それが荒々しい響きの混じりあいへと変わり、そしてまた静けさが・・・。部屋にいた誰もが日本の犠牲者のことを考え、そしておそらく原子力発電というリスクをともなう大がかりなテクノロジーのない共通の未来を発展させられることを願ったのです。(姫岡とし子訳)

カテゴリー:震災 / 3.8国際女性デー2011

タグ:東日本大震災 / ドイツ / イルゼレンツ