2011.04.03 Sun
『晩ごはん、なあに?』のコーナーは、WANのボランティアが交代で書いているのだが、私の番となり、原稿を書こうとしているときに地震と津波がやってきた! はじめの3日ほどは、頭が壊滅状態になり、あまりの惨状にただただ呆然とするばかり。そして、私自身が阪神大震災を体験していることも手伝って、電気も水も食べ物も不足している被災地の様子が伝わってくるにつけ、とてもではないが『晩ごはん、なあに?』などという能天気なエッセイを書く気にはならなかった。
私が「被災者」だったとき、地震の直後には一体何をたべていたのだろう? なんとか記憶をたどろうとするのだが、どうしても思い出せない。その時苦難を共にした家族にも聞いてみたけれど、まったく覚えていないという。被災者の感情を逆撫でするように響く、商魂たくましい「石焼きいもや」の屋台から流れるピーっという汽笛だけが今も耳に残っている。
このたび、この震災と津波が起ってからしばらくは、海外の友人から続々届く「大丈夫か?」というメールへの対応におわれた。このなかには、普段から密に交流している友達もいれば、しばし音信不通だった人もいる。でも、ふと思いを馳せてみれば、あれほど大きな体験だった震災直後に食べたものは覚えていないけれど、この友人たちがつくる「おいしいもの」はしっかりと覚えているなあ....
アメリカのキッチンには、ほとんどといってよいほど、年期のはいったレシピ・ボックスがある。そのなかには、世代を超え、時を超え、空間を超えて、料理を通じて築いてきた人々との絆がぎっしりと詰まっている。私のレシピ・ボックスのなかにも、心配して連絡をくれた友達の得意料理のレシピがおさまっている。日々の生活のなかで、私が彼らの料理をつくるとき、いつも、彼らとの絆を感じていた。
そうだ、春休みでもあることだし、震災でめげた気持ちをなぐさめるためにも、私のレシピ・ボックスのなかの料理を作って元気になろう!どうかみなさんも気がむいたらつくってみてください。そして、あなたのレシピ・ボックスにもいれていただけたら、友達の輪が広がります。
ルーシーの*ほうれん草のラザニア*
アメリカでの大学院時代、ルーシーとは研究から恋愛まで、励まし合い、助け合いながら一緒に過ごした。このラザニアは当時貧乏だった私たちにとってはすごいごちそう!今でも牛肉入りのラザニアよりも私は好きです。
<材料>
トマトソース3カップ(市販のものでもよい)/細かめにざく切りにしたほうれん草をぎゅうぎゅう詰めにして3カップ/タマネギ半分/オリーブオイル大さじ1〜2/ガーリック1〜2かけのみじん切り/リコタ(ricotta)チーズ(なければカッテージチーズ)700 グラム/パルメジャンチーズ100グラム(あればロマノチーズのほうがおいしい)/卵2~3コ/塩、コショウ/パセリみじん切り大さじ2〜3/モッツアレラチーズ200グラム/ラザニア(乾燥パスタ)400グラム
<作り方>
1) ほうれん草を洗って細かめのざく切りにする。
2) タマネギとニンニクをオリーブオイルでいためる。
3) リコタチーズ、パルメジャン(またはロマノ)、溶き卵にほうれん草といためたタマネギとニンニクを混ぜ合わせ、塩コショウをする。(コショウは多めのほうがおいしい。)
4) ラザニア麺を固めにゆでる。
5) モッツアレラチーズをチーズおろし器でおろす。
6) ラザニア用の四角い耐熱皿をバターでコーティングする。
7) そこに、まずゆがいたラザニア麺、3)のリコタチーズとほうれん草のミックスの順に敷き、その上にモッツレーラチーズをふり、トマトソースをかける。
8) 7)を1〜2回繰り返し、最後はトマトソースで終わるようにする。
9) アルミホイルでふたをしてオーブンにいれ、まず175度で約40分焼き、ホイルをはずして10-15分焼くと出来上がり!
サラダと一緒にめしあがれ!
イアンの*サルサ*
彼の先生と長年の友人なので、イェール大学の院生のときから知っているイアンもいまはMITのプロフェッサー、そして3人の男の子の父親。このサルサは、元気な子供たちが走り回る彼の家の夏のパーティの人気もの。日本では本当においしいメキシコ料理に巡り会える事がすくないので、タコスやトルティアチップが恋しくなると作ります。我が家のパーティでも出すとすぐなくなってしまう!
<材料>
A 香菜(別名パクチー・シャンツァイ)1/8 カップ/ガーリック2かけ/ハラペーニョ(http://ja.wikipedia.org/wiki/)中くらいのを4コ。
B トマトの缶詰(皮をむいてそのままの形がのこっているもの)/タマネギ半分みじん切り/レモンジュース大さじ3/白ビネガー大さじ3/チリパウダー大さじ1
<作り方>
1) Aをフードプロセッサーにかける。
2) そこに、Bをいれて、トマトがダイス状になるまで切り、混ぜ合わせる。
めっちゃ、簡単でしょ!
ミッジの*ブルーベリースクエア*
ミッジは、私がハーバードに客員教授として滞在したときのおとなりさん。ほとんど運命的といえるような出会いで、そのあとずっと家族ぐるみ・家族同然の付き合いをしている。キャリアウーマンの彼女は、料理はほとんどハズバンドに任せているが、ベーキングだけは彼女の独壇場。このブルーベリースクエアは、彼女がつくるもののなかでも私の大好物。ミキサーもいらず、へらでかき混ぜるだけでできるので、忙しいあなたにもおすすめです。
A 小麦粉1カップ(240ml)/ベーキングパウダー小さじ1/シナモン小さじ1/2
B ダークブラウンシュガー1カップ(240ml)/卵 2/ バター 100 g
C ブルーベリー 1カップ(240ml)/砕いたウォルナッツ 1/2カップ/レモンの皮の表面をそいだもの 小さじ1
<作り方>
1) オーブンを160度にセットし、暖めておく。
2) Aをあわせ、ふるいにかける。
3) BをあわせAと混ぜ合わせる。
4) Cを加える。
5) ベーキングパンにバターをぬり、流し込む。
6) 160度で約40分焼く。
できたらさまして、粉砂糖を振りかける。
カテゴリー:晩ごはん、なあに?
慰安婦
貧困・福祉
DV・性暴力・ハラスメント
非婚・結婚・離婚
セクシュアリティ
くらし・生活
身体・健康
リプロ・ヘルス
脱原発
女性政策
憲法・平和
高齢社会
子育て・教育
性表現
LGBT
最終講義
博士論文
研究助成・公募
アート情報
女性運動・グループ
フェミニストカウンセリング
弁護士
女性センター
セレクトニュース
マスコミが騒がないニュース
女の本屋
ブックトーク
シネマラウンジ
ミニコミ図書館
エッセイ
WAN基金
お助け情報
WANマーケット
女と政治をつなぐ
Worldwide WAN
わいわいWAN
女性学講座
上野研究室
原発ゼロの道
動画







