2011.10.30 Sun
東京国立近代美術館で先日開催された同展の、三重県立美術館での巡回展。20代からヨーロッパで暮らすイケムラが、故郷で開催する初の大規模個展である。
少女をモチーフとした絵画やテラコッタで注目を集めたイケムラの「うつろう」イメージには、彼女の芸術観、人生感がそのまま反映されている。少女から大人へ、人間から動物、木々や自然へと、変幻自在なイメージの中には常に生と死の匂いが漂う。その危うさが、原初的な存在を感じさせるイケムラの作品の魅力だ。
絵画、ドローイング、彫刻、写真とあらゆる技法を用いるイケムラの自由な制作方法、圧倒的な作品数(展覧会場では数を絞ってストイックな空間を構成しているが、スライドでおびただしい数の作品を紹介)、ヨーロッパを中心に展開してきた展覧会数の多さを見るにつけ、成功に甘んじることなく挑戦し続け、自らの芸術表現を追及するイケムラのプロフェッショナルな精神を強く感じる。
関西方面在住、あるいは東京展を見そびれたアートファンにもぜひ見ていただきたい。
詳細 http://www.bunka.pref.mie.lg.jp/art-museum/catalogue/leiko_ikemura/ikemura_shosai.htm
関連インタビュー http://wan.or.jp/art/?p=801
会場:三重県立美術館
会期:2011年11月8日(火)~2012年1月22日(日)
(Mitsuna)
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