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尹錫男(ユン・スクナム) 展 2015年9月5日~10月25日・鎌倉

2015.08.05 Wed

韓国フェミニズム美術の先駆者であり、アジアの女性現代美術作家として重要な役割を果たしている尹錫男(ユン・スクナム)の新作個展が開催されます。

今年の春にはソウル市立美術館での大規模個展『2015 SeMA Green:尹錫男(ユン・ソンナム) – 心臓』が開催され、話題になっていました。

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尹錫男(ユン・スクナム) 展
Yun Suknam Solo Exhibition
“This is not a coincidence but meant to be”

尹錫男 Yun Suknam “Neowa 25. Tis Not Fortunity but  Destiny” 2013 Mixed media 101.5x53.5cm

尹錫男 Yun Suknam
“Neowa 25. Tis Not Fortunity but Destiny”
2013
Mixed media
101.5×53.5cm


■会期:2015年9月5日(土)~10月25日(日)

■会場:鎌倉画廊 〒248-0031 神奈川県鎌倉市鎌倉山4-1-11
TEL:0467-32-1499 FAX:0467-32-8920
E-MAIL: info@kamakura-g.com  HP:http://www.kamakura-g.com
開廊時間:AM11:00~PM6:00
休廊:月曜・火曜・祝日(9/21~23、10/12)

【展覧会概要】
韓国の女性作家・尹錫男(ユン・スクナム)は、絵画やドローイング、木にアクリル絵具で彩色した立体作品などを通して、自身の母親や歴史上の韓国女性たち、そして自らを含む現代女性の姿を投影しながら社会における困難や抑圧の中で生きてきた、また生きている女性たちの姿や心情を表現してきました。代表的な作品群には、座面から鋭い突起が無数に突き出し座れない椅子や深く沈んだ女性像の表情に、家父長制社会、性差別、支配や束縛など、長きに渡り女性たちがおかれてきた状況や抱えてきた不安・苦悩が込められる一方で、家族や子供にご飯を食べさせるため、希望をつかむために長く伸びる腕など女性の強さや母性、逞しさなども見て取ることができます。

韓国を中心に発表を重ね、日本国内では東京国立近代美術館、国立国際美術館(1996年)や福岡アジア美術館、沖縄県立博物館・美術館、栃木県立美術館、三重県立美術館(2012年)でのグループ展に参加。今年春にはソウル市立美術館での大規模個展が開催されました(済州島に巡回中)。

鎌倉画廊で4回目の個展となる今展では、最新シリーズ「Neowa」から14点を出展致します。これは、かつて韓国の山深く貧しい地域で屋根の瓦を手に入れることができなかった人々が赤松などの板を瓦の代わりとしましたが、30年ほど前に取り外されたその廃材で作られています。「Neowa Roof」と表される風雨に耐えたその屋根材の木肌を、作家は「まるで人間の肌のよう」に感じました。同じく困難にさらされながらも生きてきた女性たちの顔が、一枚一枚の板に描かれています。

作家自身は、中流階級の女性として妻・母の役割を果たしながら日々を送ってきましたが、40歳を過ぎて制作を始めるまでは自らの存在意義に疑問を感じていたといいます。各国での女性解放運動を経た現代でも払拭できない女性の不安感。そのリアルな体験と視点から90年代半ばに取り組み始めたインスタレーション作品”Pink Room” は、現代を生きる作家自らをモデルに始まったシリーズです。狂おしいピンク色で統一された部屋、棘が突き出し座れない西洋風の椅子、足をすくわれそうな床一面のビー玉などで現代女性の不安定感を表しましたが、その後発表した“Blue Room” は韓国に伝わる神話からインスピレーションを得て女性の復活や再生をテーマに作られた作品です。今展ではこの “BlueRoom” の一部を会場に合わせて特別構成し、“Blue Room – Resurrection” (Resurrectionは蘇生や復活の意)として展示致します。
アジアの女性現代美術作家として重要な役割を果たしている尹錫男の新作個展を是非ご高覧下さい。

尹錫男(ユン・スクナム)
1939年 中国東北部(旧満州)生まれ。1983~84年、Pratt instutute Graphic Center, Art Student League (New York, USA)で美術を学ぶ。鎌倉画廊では1996年、98年、2003年に個展を開催。韓国内の美術館・画廊では継続的に作品を発表し、日本国内では1996年「90年代の韓国美術から-等身大の物語」(東京国立近代美術館、国立国際美術館巡回)や2012年「アジアをつなぐ-境界を生きる女たち1984-2012」(福岡アジア美術館、沖縄県立博物館・美術館、栃木県立美術館、三重県立美術館巡回)に出品。ヴェニス(1995)、台湾(1998)、シドニー(2000)、光州(2000)などのビエンナーレにも参加してきた。今年春にはソウル市立美術館での大規模個展を開催し、現在済州島に巡回中。日本国内では福岡アジア美術館、栃木県立美術館、三重県立美術館、徳島県立美術館が作品を収蔵。

(artemisk)

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タグ:アクティビズム / Feminism / ユンソクナム / Pink Room / Blue Room / 尹錫男 / フェミニズムアート