井上治代 最終講義 2016年1月22日
タイトル 「世代間(親子)関係の変容―墓からのアプローチ」
場所:東洋大学朝霞校舎 講314番教室
退職年月日:退職年月日 2016年3月31日
専門分野:社会学
仰々しい最終講義をするかしないか迷ったすえ、時間割の中で本当に最後の授業をそれに位置づけようと考えた。それが「世代論」の授業だった。一方私は社会学を専攻し、自分の研究の成果を社会還元する場をもって生きたいと思って来た。その具現化したものが、『桜葬』墓地を核として展開している認定NPO法人エンディングセンターという組織とその活動である。このことも「世代論」(墓の世代的継承という)視角から切り込んでみようと考えた。かくして世代論の授業としての内容に加え、自分のライフワーク的な研究の一端を盛り込む授業になった。
大学人としての私には、異質な二つの社会・文化集団の境界に位置するが、いずれにも完全に帰属できない「マージナルマンmarginal man」という言葉が想い浮かんでいた。そういった私だからこそ、学科を超え学年を超えて語り合えた学生たちがいた。最終講義には学部の学生、大学院の学生、そして市民団体の会員の人たちが駆けつけてくれた。
★最終講義 原稿は下記からダウンロードできます。
プロフール
東京都出身、社会学博士。
執筆・評論活動や尊厳ある死と葬送をめざした市民団体で活動する一方で1992年から非常勤講師として文教大学女子短期大学部、日本大学、日本女子大学、新潟大学、富山大学ほかで「女性学」「ジェンダー論」を教える。2005年東洋大学ライフデザイン学部助教授に就任。2010年同教授。
現在、認定NPO法人エンディングセンター理事長、東洋大学東洋学研究所客員研究員。退職後も大学院や学部で「生死の社会学」「いのちの教育」「ジェンダー論」等を教える。
自著に『最期まで自分らしく』『墓をめぐる家族論』『新・遺言ノート』『墓と家族の変容』『子の世話にならずに死にたい』『より良く死ぬ日のために』他多数。