2009.10.16 Fri
物心ついて以来、母との関係は人生最大の「やっかい」であった。そして、「女」について考え始めると、母との関係は具体的な女の問題として考えるテーマのひとつになった。
昨08年8月5日にその母「幸子(ゆきこ)さん」が他界した。84歳だった。本書を書き始めたのは母の没後、5か月目。一周忌の直前には本になっていたのだから、たいへんな勢いで書いたものだ。そのエネルギーと動機は、葛藤の相手を突然、失ったショックから生じたのだろう。母が遺した葛藤をときほぐす自己カウンセリングも執筆の動機のひとつだった。だから「症例」なのだ。
まだ発表間もないが、反響を見ると、予想通り、この症例を他人事とは思えなかった読者が多い。もとより療法は示せていないけれども、ご同類が少なくない、とお互いに認識するきっかけになれたら、本望だ。療法はそれから考えるとしよう。
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