2009.11.13 Fri
ジェンダーの視点から教育を語る本の多くは、歴史的視点から戦前の女子教育思想や戦後の教育改革における女子教育政策、あるいは現代の実践上の課題や隠れたカリキュラムについて論じたものが多いように思う。それに対して本書はちょっと変わっている。歴史的なアプローチによる本であるが、扱っている時期は戦後初期から1960年代後半までのおよそ20年間。論じているテーマは、男女に等しく開かれた教育制度と内実におけるジェンダーによる教育の相違、という戦後教育に存在していた二重構造の解明である。具体的には、高等学校における男女共学の問題、短期大学が女子教育機関と化していった経緯や女子学生亡国論、そしてこれらの議論が生み出された社会的背景としての「家庭づくり」政策などを論じている。ここからどのような戦後教育のジェンダー秩序があぶり出されていくのか、それは読んでのお楽しみということにしておきたい。(小山静子)
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