2010.02.18 Thu
定年後間もなく、いたって健康だった夫が難病に罹患。病名はパーキンソン病。病状が進んでいくと手足の動きが不自由になる。内臓の筋肉の動きにも障害がでるという高齢期に多い難病だ。徐々に進んでいく病状、その長い闘病生活を支え伴走したノンフィクション作家の妻がその一部始終を、愛情をこめてしかし冷静な目で綴った。戸惑いや右往左往を経て、病に向き合うことで研ぎ澄まされた毎日、そこには関係性の「成熟」があったという。医療現場や医師たちが気づかぬ様々な問題も浮かび上がる。法律と現場のギャップ、病人にとっての生活の質、生きること死ぬことなど、超高齢社会の今、だれもが直面する身近な問題ばかりかもしれない。「患者の心は案外「健康」だ」と著者はいう。書き手の前向きで温かな視線に救われる。家族の病気に直面した人や、不安に思う人にとって現実的な対処のしかた、心の問題両面で参考になるだろう。(中西豊子)
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