2010.02.19 Fri
2007年に逝去したフェミニスト・駒尺喜美の伝記。著書「魔女の論理」などに見る彼女のユニークな女性解放論は読者を魅了したが、常に飄々と一切の型から無縁に見えるその自由な思考の原点はどこにあるのかは、ひとつの謎であった。
この一冊は、駒尺喜美という人の自由さの本質に迫る為に書かれたといってよい。そして筆者の辿り着いたのは、彼女を徹底して甘やかし、放任した母親の存在であった。母親の「甘やかし」は、ふつうの場合とはまったく異なるかたちで彼女をつくりあげたのであった。そしてその後の彼女の成長の軌跡を辿るとき、駒尺喜美はその浮遊的な印象とはまったくことなる、目のさめるような直情径行と愛の人であった事実がはっきりする。
彼女はその「愛」を、徹底して「ミーハーの側に立つ」ことで表現した。世にフェミニストの数は多いが、彼女と同じ立ち場でその愛と情熱とを表現した人はほとんどいない。(田中喜美子)
カテゴリー:著者・編集者からの紹介









