女の本屋

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華やかで危なっかしくて知的な「女の欲望」の一つのモデル『伝説のグルーピー』パメラ・デ・バレス

2010.09.09 Thu

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ロックスターのおっかけをし、時にはベッドを共にする過激なファン、グルーピー。1960年代のサイケでキラキラした時代を欲望のままに華やかに駆け抜けたパメラ・デ・バレスさんの自伝。(写真は英文の原著。残念なことに邦訳『伝説のグルーピー (The inside story)』 は廃刊。復刊を強く望みます)。

欲望や消費、ってのは80年代以降、女の冠詞みたいに言われるけれど、大体それは軽薄で頭の悪い、ってイメージとワンセット。主体性とか創造性とかそういうのとは無縁。最近だったら、「スイーツ(笑)」みたいな言葉に象徴されるように。そんな「女の欲望」の中でも特に風当たりが強いのは、昔っから、セックスに関する欲望。異性愛で対幻想な愛とか持ち出さなかったら「女の性欲」は、異常と蔑まれる。誰とでも寝る男は英雄で、誰とでも寝る女はフシダラ。

そういえばネットのコピペ文章で、「性に奔放な男はどんな鍵でも開けられるマスターキーで、性に奔放な女はどんな鍵でも開いてしまうダメな錠前」みたいな例えがあったような。馬っ鹿馬鹿しい(笑)。

でも、女の欲望だって、カッコいいし、スカっとするし、ワクワクする。自分さえ見失わなければ(←ここ案外大事)。この本は、そんな当たり前のことを気づかせてくれる。素敵。ロックの世界の「伝説」は若くして亡くなって文字どおり伝説になってしまう方が多いけど、このパメラさん、現在でも文筆家や実業家としてご活躍。そういえば前から私は、元ヤンとか「昔やんちゃだった人」が、更正して現在では文化的に尊敬される人、って構図は大大大嫌いだけど、それはそんな「やんちゃ」がダサかった場合。パメラさんの「やんちゃ」はクールでキュート。そして知的。誰彼かまわず寝るんじゃなくって、自分の寝たい男と寝てるだけ。そんな惚れっぽいところまで、フェミ的にさえカッコいい。まあ、彼女が運がよかった、恵まれてただけ、彼女だって人に迷惑もいっぱいかけてただろう、って見方もできるけど。

そういえばこの方を知ったきっかけは、本の中に「彼女の初めてのセックスのお相手」として出てくる某ロック・スターが私が大好きな人だったからでした(結構ヒドい男だったけど幻滅しない♪)。ロックを好きになる気持ちは、恋とも違うし、音楽が好きって感情とも違う。もっともっと、何ものにも替え難いドキドキ。ロックスターを好きになることをミーハー女の消費として馬鹿になれる筋合いは何もない。そんな、ロックを愛する気持ちの過激な延長がきっと彼女。パメラさんと、今すぐ真似したいぐらいの超お洒落なグルーピーたちとのバンドThe G.T.O.’sの『Permanent Damage』 には、その、私も惚れてる彼への恋心を歌った歌もあって、彼女に、彼に、二重に胸キュン☆(robirobi)








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